「ズートピア」とか「ビースターズ」の流れのやつなのかな？と思っていたら、これキャラがデフォルメされているだけで、タランティーノが90年代にやってたクライム・ハードボイルド群像劇を『今』の寂しさや世知辛さが充満する20年代の東京に移植したようなダークなクライム群像劇だった。いやこれは凄いです。しかも「パルプ・フィクション」だと思ったら最後には「○○○○○」だったと明かされる訳で・・
バラバラだった人間関係が結び付いて一つになっていくサスペンス・ミステリー展開の妙と、人間心理を突いたある仕掛け、そして思わぬ結末。
闇と哀愁と謎が漂う中で随所にユーモアもあって、脚本家に漫才の才があるのか、ユーモラスな台詞にやたらキレがある。
「鬼滅の刃」の炭治郎役の声優さんが、主人公のセイウチのタクシー運転手を低音ボイスでボソボソと好演。声優陣が皆絶妙に生っぽい演技をしてるのが良くて、作品の生々しさと不穏さに拍車をかける。一人だけイカれた喋り方をするあいつや、狂気演技が生々しすぎるあいつも好き。
あと何故かあの役で声の特別出演をする高杉真宙、好感度アップ。
個人的にはアイドル周りの話とオチには微妙にミソジニーの感じもあって、そこはシコリがある。
強烈なエモさと強烈な邪悪さが同居して、何とも言えない作品だった。
ネタバレありの感想を少しコメント欄に書きます。
