ゆず

オッドタクシーのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

オッドタクシー(2021年製作のアニメ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

🚕=꒱‧*ネタバレ言及あるので閲覧注意🚓=꒱‧*



ありそうで無いセリフ。
「はいどーもー僕たち"ホモサピエンス"ですー」
「ウチらのどこがホモサピエンスやねん!」
何故なら彼らはこれを言うはずがないからだ。

やられました…と言わざるをえないかな…やっぱり。
"動物が二足歩行して喋って人間の生活をしている世界観"って子供の頃からずっとふれてきているので特に違和感を覚えない。(むしろ幼児向けはそういうのがメインだし)
だから、「このアニメはどうして動物が喋ってるんだ?」なんて疑問を抱く人はほぼいないんだけど、本作はそこを逆手に取って最終回で「動物が喋るわけないでしょ」と当たり前の現実を突き付けてくる(笑)いやこっちはそういうアニメ(動物が人間のように振る舞う世界)だと思って付き合ってたつもりだったけど、どうやら付き合ってると思ってたのは俺だけだったらしくてすごく恥ずかしい…みたいな感情に落とされる。やられた(笑)
序盤辺りで、「動物のアニメなんだけど、妙にリアル志向でサスペンス色が強くてドロドロしていて、そのギャップに引き込まれる」みたいな感想を持った時点で、実は既に術中にハマっていたというね…!ドヤ顔しながら嵌められてました!
一応、負け犬の遠吠えだけさせてもらうと「でも小戸川の見ていないところでもみんな動物の姿してたじゃん」。でもこれは騙されてたことに気付いた後で言っても意味がないのだ…。我々はみな自分自身の思い込みに騙されたのだ…!

ラストシーンも興味深すぎる。あんなところで終わりますか、普通?でも終わるんです。しかも、まあそれが別に失敗しているわけでもない。こういう自由な感じが出てるのは好きですね。
小戸川はあの日、芸能事務所へ送った人物(真犯人)のことをちゃんと覚えていた。真犯人も、自分のことを憶えている可能性が残るタクシー運転手の口を封じなければならない。その2人が対峙するラスト。
しかしその結末は描かれない。皆まで言うのは野暮ということか。視聴者として望む結末はあるが、それが描いてあったところで特に面白いとは感じそうにない。
毎週続きが気になって仕方ない状況を持続させたアニメだから、最後もやはり続きが気になるラストだった。
ゆず

ゆず