こさむ

ASTROBOY 鉄腕アトムのこさむのネタバレレビュー・内容・結末

ASTROBOY 鉄腕アトム(2003年製作のアニメ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

平成リメイクアトム。
基本1話完結でさまざまなエピソードが描かれ、話が大きく動くときは回をまたぐ。
スカンク、アセチレンランプ、七色いんこ、手塚作品おなじみの顔ぶれが敵役として登場する。

リデザインされた敵ロボットたちも魅力がある。
アトムと似た境遇で生まれ、憎かった父親を助けて人間との共存をアトムに託したアトラス。
ウランと触れ合うことで優しい気持ちが芽生え、アトムを庇ってマグマに落ちていくプルートゥ。
人間とロボットの戦争を止めたいアトムの言葉に動かされ、ロボットの安寧の地を求めて宇宙への旅に出る青騎士。

「アトムを育ててロボットの王にする」という天馬博士の動機が早々に示されているため、一本筋の通った物語になっていて非常に観やすい。
「人間とロボットの共存」というシリアスなテーマが原作より強まっている。
アトムを読んで育った大人に向けたアニメという感じだけど、子供も楽しめるバランスの良い作品。

ただ、後半はオカルトじみた回があったり(「火の鳥未来編」のムーピーとロック)ネタ切れ臭がする。
アトラスは再登場の時にあっけなく死んだし3回目のときは「結局無事だったんかい」って思ったからもっと丁寧な描写が欲しかった。

それでもラストがすごく良い。良すぎる。
全てを諦めるためにアトムに「あなたは僕を愛していない」と言わせる天馬博士。
死ぬつもりの天馬博士を「お父さん」と読んで抱きしめ、引き留めるアトム。
泣き崩れて抱きしめ返す天馬博士。
本当の父親にふさわしいと言って、お茶の水にアトムを託そうとする天馬博士。
ロボットと人間の共存に希望をもてるラストであり、人間ドラマとしても凄く良い。

Amazonプライムだと削られてるけどオープニングも大好き。
こさむ

こさむ