ろいろい

機動警察パトレイバー アーリーデイズのろいろいのレビュー・感想・評価

3.6
"私に手を触れるな!!!"

■作品について■
発売当時の刑事ドラマでも見られなかった「組織としての警察」を描いた作品の先駆けということで超有名。

また、テレビの人気作品が映画化やOVA化するというのがそれまでのヒット作のパターンとされていたが、本作品は逆にOVAからテレビシリーズになるという初の作品となったことでも有名。
後の影響は多大なもので、『踊る大捜査線』シリーズで知られている本広克行、『3月のライオン』で知られている羽海野チカ、『パシフィック・リム』で知られているギレルモ・デル・トロなどが影響を受けている。

ちなみに、当時の監督・押井は難解な作品の生み手として敬遠され、業界を干されて生活が困窮しており、本作によって救われたらしい。

■感想■
1988年に発売されたロボットSF警察OVA作品。
全7話。

全てはここから始まった。
それまでのアニメ界の常識を覆したメディアミックスの原点にして、『パトレイバー』シリーズの原点となった作品。
その点では名作だけど、やや粗削りなのが正直なところ。

ストーリーは
"レイバー"と呼ばれる人型作業機械の普及した東京が舞台。
増加する"レイバー"犯罪に対抗するべく警察内部に組織された警視庁警備部特科(特殊)車両二課。通称特車二課。
そこに配属された警察官を描いたもの。

人間味溢れるキャラクター。
7話という短いものだけど、遊び心とバラエティに富んだ構成。
非科学的な生物が表れる話もあったけど、全体を通して全く無駄がないストーリーだった。

特に第5話と6話の話が逸品。
前シリーズの中でも間違いなくトップクラスに入る名作中の名作!!
のちの劇場版の「雛形」ともなったストーリーで、緊迫する空気とぶつかる正義には心躍る👏

何と言っても南雲 しのぶがかっこよすぎる。
「承服できません!包囲の外に、上空にも報道陣が詰めかけております。全国民注視の中でどのような情勢があるにせよ、ただの1発も反撃することなく、無抵抗で本庁舎を明け渡すような事があれば、それは警察が自らの手で敗北を認めたことになります。それこそ彼らの思う壺ではありませんか。
国を守るべきものが国を乗っ取ろうとするに対し、これを打倒するは我々をおいて他になく、今こそ全国民の期待は我々の双肩にかかっているはずです。
確たる証拠すらなく、否、確たる証拠があったにせよ、彼らの恫喝を前に戦わずして膝を屈するなど言語道断!
たとえ守備隊全員がこの場で果てようと、一歩も引くわけには参りません!」
には痺れた。
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