流之助

銀河英雄伝説・本伝 第2期の流之助のネタバレレビュー・内容・結末

銀河英雄伝説・本伝 第2期(1991年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラインハルトが全宇宙を(いちおう)統べる存在となり、ローエングラム王朝の始まりまでの話。
ヤン・ウェンリーはある意味でラインハルトよりも頑固であるが、同時に柔軟な思考能力の持ち主。自らの目的のために最短距離を歩もうとするラインハルトのアンチテーゼでもあり、根幹にあるものは似ているという点で2人を比較するのは楽しくなる。
しかしそうすればするほど、ラインハルトの埋められない心の虚無が大きく感じられて悲しくなる。
のちにヒルダとアンネローゼが歩み寄ってくる展開にはなるのだが、自らの落ち度で唯一無二の存在キルヒアイスを失った事実はラインハルトから孤独感を完全にぬぐい去ることはできないんだよね。

ヤンがミュラーの存在を考慮から外したことでタイミングがずれ、ラインハルトの旗艦ブリュンヒルトを撃たしめなかった結果になったように、ラインハルトもまた、見落としている者の存在が自分にとって不利に働くことの可能性を考えることができたなら・・・。

銀英伝はifをたくさん考えさせる。
推しはすぐ死ぬし、ままならないことが多すぎるからだ。
しかし現実もまたままならないことがそうでないことを圧倒するものであるし、であるからこそ、いつになってもこのストーリーは私を楽しませてくれるものなんだと思う。
何度見ても何度原作を読んでも楽しく、そして悲しく、いろいろ考えさせてくれる銀英伝が大好きだ。
流之助

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