平田一

マブラヴ オルタネイティヴの平田一のネタバレレビュー・内容・結末

マブラヴ オルタネイティヴ(2021年製作のアニメ)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

“見よ―――これが原点だ”


2003年、アダルトゲームメーカー âge(アージュ)が生み出したアドベンチャーゲーム「マブラヴ」は、3年後に発表される「マブラヴ オルタネイティヴ」で一つの壮大な物語が完成するという仕組み。今年5月に完結した「進撃の巨人」にも、大きな影響を及ぼしたことでも大変有名で、今回が正史シリーズ初のアニメーション化とか。

これのために過去作られたアニメシリーズを制覇して、翌日仕事も覚悟の上でリアルタイム視聴をチョイス。

そしたらまあ、奇を衒ったアニメでビックリしましたねw

大元のお話は、

宇宙から襲来した地球外起源生命体、通称「BETA」と人類は長い戦いを繰り広げ、人類は滅亡の瀬戸際に立っていた。こことは異なる並行世界からやって来た白銀武は、今度こそ人類を救うために立ち上がる―――。

ボクのようなゲーム未プレイ勢からしたら何じゃそりゃ?で、おまけにかなりの過程省略ぶりの前半のせいで、だいぶ賛否が割れた意味でも話題になっていましたが、不思議とボクは過去アニメ作品よりも大好きです。

その理由を平たく言うなら、

“アドバンテージ”の落とし穴。

主人公の白銀武は並行世界での結末を既に知っているとこと、同時に訓練スキルの方も身体にしっかり残っている。つまりこっちの世界においては無双スキルの新兵状態。しかも先まで知っているから、予測もアクションも容易い。その利点を大きな強みに劇中行動するんです。

ところが大きなアドバンテージは、温度差も生じさせる。そのせいで齟齬がどんどん出てくるところがあったんです。

顕著なのは第10話「覚悟」での場面です。

警護対象の生死に関わる決断を迫られたとき、何もできず、迷うことしか出来なかった武に対し、歴戦の兵士たちは迷わず意見をぶつけあう。武はそれを眺めることしか、聞き続けるしか出来なかった。それはまさにアドバンテージの落とし穴だと思いました。

昔、とある映画監督がインタビューで言っていました。

“監督は作品を理解しすぎるところがある”

劇中における武とまさに通ずる言葉ですし、自分だけが把握してても、役に立てねば意味がない。アドバンテージ頼みなだけの覚悟は「水泡に帰す(すいほうにきす=努力したことが無駄になるの意)」のみ。見てて瞬時に思い出すほどここでの武にピッタリです!

省略すぎる前半もそういった意図も含めて、ああいったものにしたなら、とんでもない博打打ちだとボクは言うしかないですねwでも見ていて腹を括った感じはビンビン来ましたね!

果たして作戦失敗か、前代未聞の作戦か?
すべての結果は来年の2期がアンサーでしょうね。

諸々含めてここから先もマブラヴアニメ、楽しみです!
平田一

平田一