たき

ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日のたきのレビュー・感想・評価

5.0
久しぶりに観ました。

当時、今はあんまりやらない布教が同級生にめちゃめちゃ成功したのも相まって、何度も部屋にたむろして何度もみんなで観てあれやこれや言い合ってめちゃめちゃ楽しかった。とてつもなく思い出深い一品です。LDはもう、手元にはないのですが。

なかなか続編が出ないのも相まって、毎回どきわくで発売日の前日(フラゲ狙い)でレコードショップに通ったものなのでありますが。
正直、今なら言えるのですが、当時は最終回がとてつもなく拍子抜けだった記憶があります。

美しい夜。幻の夜。そして草間博士の遺言と、てっきりこのおはなしのテーマって、トロッコ問題だとおもたのですよね。
大好物でドストライクなテーマも相まって、いったいこいつにどういうオチをつけてくれるのだろうととにかく期待だけがふくらみまくっておったのですよ。

でも結局これって、父子がテーマのおはなしだったのですね。

どんなに無理難題を押しつけたり、反社会的なムーブを見せつけられようと、それらすべて子を守り、幸せを願った結果であるということを疑ってはならない。
俺が食指を動かされた部分はそんな無理難題の一例に過ぎなかった、のですかな。

だから信じた子(大作と鉄牛)は報われて信じられなかった子(エマニエルとフェルメール)には罰がくだる。トロッコ問題の答えなんて出なくていいのですな。父を信じる子の姿を描くことができれば。

だって最後の最後でちゃんと丁寧にテロップですべての父子に捧ぐ、って書いてくれてるんですもん。
当時も引っかかってはいたのですが、考えるのをやめてました。
にんげんて、観たくないものはほんとに観えなくなるものなのですな。

個人的には親子関係そんなに良好ではなかったので、正直そんなこといわれてもなあ、と斜に構えてしまって、とてもドストライクなテーマとは言い難くなってしまうのが正直なところだったりするのでありますが。

それでもこの作品には満点つけようと思います。

テーマ性を誤解していたときの感動はすさまじく、そのときの補正はあるのかとは思うのですけれども、それがメインテーマじゃろがい。と思わずにはいられないほど、圧倒的な演出の妙がもう。筆舌に尽くしがたく。

まず、バシュタールという響きがいい。

BGMがいい。
同じセリフ、同じフレーズなのに、真実を知るたびに違う意味合いを持つところがいい。
ロボの雑な戦い方がいい。
十傑衆や九大天王の、切り札感、特別感がいい。
それぞれの特殊能力のふざけてるのかまじめなのかの境界が曖昧なのがいい。
戴宗とアルベルトの関係性がいい。衝撃の。という呼称がいい。

けどなんだかんだ結局いちばん泣いたのは、戴宗の死→今度は守るんだ→がってんでさ、姐さん。

だから、この作品は満点でいいような気がします。

GR3楽しみだったんですが。
シン・エヴァのカヲルくんのシーンはなぜか最終回のビッグファイアを思い浮かべたり。
もう、続編はないですよね。
たき

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