非常に面白かったし、久し振りに食い入るようにアニメを見た。熱中度でいえば去年の不徳のギルド以来である。
異世界帰りした叔父の過去を本人の解説や茶々と共にオフビートなツッコミを挟みながら覗き見る構図は愉快で、過去として展開される異世界のエピソードと現実の温度差がコメディとして活きているのも良い。いわゆる鈍感系の主人公の振る舞いを、腰の低い老け顔の叔父の姿でやることでジャンル作品特有の臭みを脱臭することに成功しており、そういう意味でもストレスフリーな作品としてよく出来ている。
また叔父の趣味であるSEGAのゲームを交えた語り口は、現実と非現実の境界を強くしすぎないそれとなっていて、既にゲーム業界から撤退しているSEGAの立ち位置ならではの現実と異世界に共通するジェネレーションギャップネタとして作品に独自性を持たせてるのもいいですね。
現実/異世界、どちらのキャラクターも魅力的で後者のヒロインズがかなり可愛かったです。属性でいえば一昔前のそれなんだけど、作品設定を考えるとその率直さがより作品全体の受け入れやすさに結果的に繋がっている。また叔父のキャラクターも語り部として適度に隙のある造形をしていて、たかふみと同じ心境で作中での活躍を覗くような働き掛けはややメタフィクションっぽい味わい……なのか？(全然違うかもしれない)
