XB法が可決されて全ての事柄が超次元野球の勝敗で決するようになった世界──という奇天烈を前提とした作品の土台に関しては好感触でしたが話の最後までXBの魅力が全然伝わってこないのが致命的か。東京都23区を取り仕切るトライブ達とか、野球でそうした力関係が決まってしまう世界観とか、その辺は馬鹿馬鹿しくてもそういう馬鹿馬鹿しい物として受容出来るならいいと思うんですよ。その手のアニメも好きですし。
ただ本作はまずルールその物が明確な情報として伝わってこないので、そもそもXBが野球の形を帯びた盛大な喧嘩のようにしか見えず、競技その物の魅力があまりにも形骸化してるのが全然見てるこちらとしては気持ちが盛り上がらないんですよね……。
主人公達の最終的な着地点である正しきXBを取り返す為の決戦にしたって目的意識にそもそものズレがあったり(無法化に対する憤りだけなのかよ……)、この魅力が全くもって伝わってこないXBに魂を賭けている者達の情感も理解し難く、挙句に死人まで出るのはマジで言ってんのかよと呆れるしかありません。
超次元的なスポーツ物の面白味は反則を掻い潜る形で好き放題やる点ではなく、それがルールの範疇として収まっているからこそだと思うんですよね……審判をハックとかどういうことなんだよ。
キャラデザは小松崎＆しまりどるペア故に悪くなかったと思いますが、一人一人の成長物語としても縦軸に芯が感じられず商売上のアニメーション以上の域は出なかったなぁと。
