中国産タイムトラベル・サスペンス・アニメの豪華声優陣による日本語吹替版。前に「羅小黒戦記」を見た時も作画のクオリティの高さに驚いたのだけど、今作は作画よりも脚本のクオリティの高さに感嘆した。予想を巧妙に裏切っていく、海外ドラマを参考にしている事がよく分かる脚本が良い。
超絶作画とクールな主題歌が完璧に合わさったドチャくそクールなオープニングもマジ最高、オープニングだけでも見ていって下さい。
https://youtu.be/EBimS-0GQH0
写真という小道具の持つノスタルジックな切なさをタイムトラベル物のフォーマットの中でしっかりと活かしているのが良い。
アジア的な田舎と都会の物語が多いのだけど、そのベタな感じが同じアジア人としては肌に合う。
1話でまずしっかりルール説明と作品のテイストを見せつつ、こういう昔ながらの情に厚い感じなのねと思ったら！なラストで引き込まれた。この引きの強い感じ、海外ドラマの脚本の作り方を参考にしてる感じがある。そして1話でこのラストがあるからこそ、その後の回で毎回物語の決着の行方がスリリングになる。エンディング曲のイントロが不穏なのも効果的。
2話で『写真を使って過去に戻る』事のノスタルジックさや切なさをエモーショナルに活用してテイストを確立し、3話で今回はゆったりした回で今後はこういう感じでずっと1話完結スタイルになるんだろうなと思いきや！な展開にまた驚く。4話で真相に気づいた時には思わず声上げちゃった。この辺の予想の裏切り方、脚本が巧い。5話、新海誠が雑にああいう風にやっちゃう所を今作の製作陣は現実を見据えて丁寧に慎重にやる。重く厳しくも思慮があり優しい。（ていうか新海組のスタッフが参加してますね）
様々な社会問題や事件を取り入れているのだけど、ネタとして使用するのではなく、ちゃんと厳しく真摯に向き合っているのが分かる。
その後もサスペンスとエモとユーモアを交えつつ、巧みに大きな物語へと収束していく。とにかく脚本が巧い。
それやっちゃダメと言われてる事を色々やっちゃう主人公だけど、キャラの魅力と彼自身どうにもできない行動原理である強い感情をちゃんと用意しているのでそんなにもどかしくならないのはやはり脚本の良さ。とはいえ滅茶苦茶致命的な事をやっちゃうんですが・・・
11話・最終話の2話を跨ぐ頭脳戦はかなり白熱するし、最終話クライマックスのこれまでの積み重ねを活かしたエモーショナルなシーンは素晴らしかったのだけど、ここに来て海外ドラマの参考が個人的に好きじゃない方向で炸裂してしまう。そう次シーズンへのクリフハンガーです。いや最終話ラスト、そりゃ無いよ・・なんてこった・・残酷すぎるよ。
とりあえずシーズン2を早く・・・ちなみにシーズン2は既に制作中で原国語版特報もYouTubeで見れます。
イケメン主役2人の間にはブロマンス風味もちゃんとあります。分かってますね。
主人公達に仕事を回し借金を回収する雇用主ヒロインの、ロングスカートとハーフパンツを半分ずつ組み合わせたような衣装もクールで良き。女性を性的消費する所が無いのも良き。
タイムトラベルのロジックについては、完全にファンタジーなので細かい事は気にしないで下さいね・・・色々細かいツッコミ所は御愛嬌という事で。
それからこれは作品自体とは関係無い日本の会社側の問題なのだけど、中国のアニメ制作スタッフの名前が（メインスタッフを除いて）クレジットから表記が外されているのはスタッフへの敬意が無くて駄目だと思う。
果たしてシーズン2はどうなっちゃうのか。続きを楽しみに待ちます。
ネタバレありの感想をコメント欄に書きます
