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範馬刃牙 第1期の都部のレビュー・感想・評価

範馬刃牙 第1期(2021年製作のアニメ)
3.5
史上最強の親子喧嘩前哨戦──蟷螂、ゲパル、オリバと範馬刃牙第一幕を展開する第一期の出来としては上々で、アニメーションならではのケレン味楽しめる仕上がりだった。ただ忠実に画を作りすぎてて、淡白な所は本当に淡白に流すのでもう少し演出なりで癖が欲しかった感じもある。

蟷螂〜ブラックペンタゴン編を全12話で纏めていたのはテンポに淀みがなくて良かったけれども、その分貯めに溜めに溜めた強者としての格を見せる描写の数々からの消化が些か焦燥に感じたのはある(コンパクトに纏まっているからこそ話としての一貫性が呑み込みやすいという良点もあるので、さしたる問題ではないかもしれないが……)。とはいえ刃牙シリーズにしては珍しいタイプの格闘家 ゲパルのカリスマ性の描写には納得が付いて回るそれであるし、刑務所内の王として勝負を受けて立たなくてはならないオリバの心情も読み取れるシークエンスの切り取り方も見て取れたが、どうにも不足感が残るのは前述した『淡々としている』という部分が大きい。良い意味で大味なバトル描写に対して、それに追随する反応──オリバとゲパルのハンケチ対決における馬鹿馬鹿しさへのレスポンス──はあっさりでOPくらい緩急を付けても良かったような気がしないでもない。世界最強の男を目指すというロマンスとそれに伴う意地の張り合いが如何に馬鹿馬鹿しいのか。その二つの視点が同居してるからこその面白味を味わう作品なんですよねやっぱり。
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