どことなく郷愁心を煽る田舎でのひと夏の冒険風情を皮切りとして、次々と巻き起こる怪奇現象が引き起こす不条理なコメディが展開される様は実に痛快で、同時に本作の主役を務める魅力的な双子のキャラクターの成長の日々を追っていくという秀逸なカートゥンアニメ。
本作が取り扱うコメディ要素は万人向けの分かりやすいものとして砕けたもので、それだけに留まらず一話完結のアニメシリーズとしてあの手この手でコチラを楽しませてくる姿勢には感心させられる。グラビティフォールズという曰く付きの土地で、オフビートな登場人物達が酷い目に遭ったり遭わなかったりする匙加減が絶妙で、子供向けのアニメとして毎回得る教訓に伴う説教臭さを上手く脱臭している。語り部の二人が魅力的で可愛いので、その成長を素直に楽しく呑み込めるというのも大きい。
全体的な構成は他のカートゥンアニメと同様のそれであるが、根底に漂う管理不可能な存在との遭遇は一匙の不穏を呼ぶものとなっていて、それが個性となり結果として青春劇とSFミステリーの抱き合わせ方が巧みに感じられる。実際 各回の面白さのアベレージは高めである。
前評判で伏線回収の妙について語られていたが、それに関してはそこまで驚くほどのものではなかった──割と拾われるだろうなというタイミングで散りばめられた要素が拾われるので──とはいえ脚本の要素の管理という点ではかなり丁寧なアニメで、大人の鑑賞にもしっかりと耐えうる面白い作品だったのは事実である。
SEASON2に続く。
