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大雪海のカイナのnotのネタバレレビュー・内容・結末

大雪海のカイナ(2023年製作のアニメ)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

2023年冬クールのアニメの中で、”令和版ナウシカ”として期待した本作。
パクリと言われようが、面白ければそれで良いと思っていた。
世界観も、絵も、ちょっと独特の癖があるキャラクターデザインも好み。
とにかくビジュアルは美しく、オープニング、エンディングも含めて非常に良い。
物語初期、起動樹から降りて腐海の代わりとされる雪海に降りていくところなどはこれから起こる物語を想像し、ドキドキしたものだ。
しかし、パクリやオマージュ、リスペクトなど通りこして世界観、設定、キャラクター、ストーリー含めてまんまナウシカと同じを想起させられることに我慢しつつも(キャラクターは本当に置き換えだし、巨神兵みたいなものが出てくるし、古代絵や、挙句の果てにトルメキア:バルギアとか名前まで…)、好きだから、面白いと信じて付き合ってきた。
しかし、だ。11話で終と表示されたテレビ最終話はご都合主義でぎゅぎゅっと終息され、中途半端にエンディングを迎え、10月公開の劇場公開映画の宣伝が入って終わった…。
そうか、これは劇場へつなぐ長いプロモーション・ムービーだったのだな。
何度もいうが、たとえパクリと言われようとも作品自体は好きだ。惜しむらくは、テレビアニメの中でもきちんと構成したストーリーにできなかったものか。
ラスボス的なやつを樹皮削りで倒すなんて…。あまりにも…。
ヒロインは最初、雪海に帰りたいがためにカイナたちに感謝も薄く思いやりがない嫌なヤツだし、ぱっつん前髪がなんだかなと思っていたが、途中から急速、急激に掌返し。カイナに惹かれる様には「いまごろかよ」と、もう少しキャラクターの心理描写も丁寧だったら良かったと思うが、第8話のサービスカットですべてを帳消しにしただけに。
全体話数からぎゅぎゅっとまとめる必要が最初からあったのか。ならば、構成と演出がもったいなかったね。素材が良いだけに。
ただ、劇場公開は観ようと思っているので、そこはプロモーションとしての役割は果たしたのだろう。
10月なんて先なので、忘れているかもしれないが。という、皮肉を言って締めたくなる作品だった。
中途半端に終わらなければ3.3〜3.5をつけていたかもしれない。雰囲気はいいだけに惜しいなあ、惜しい。
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