羅武

機動戦士ガンダム 水星の魔女の羅武のネタバレレビュー・内容・結末

機動戦士ガンダム 水星の魔女(2022年製作のアニメ)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

登場人物の死でしか感動を作り出せない創作物は二流だとは思う。が、ことガンダムに於いてそれは当て嵌まらないとも思う。ガンダムとはいわば戦争モノアニメであり、無数の人の死の集合体である戦争というものを通して人の心の深淵を描くのが戦争モノである。

…そう思っていたのだが、そういった意味で今作はガンダムとして三流以下の作品だと思ってしまった。というかこの作品は戦争モノではなく学園モノを目指したのだろう。

それでも第一話プロローグでは主人公がガンダム史上敵撃墜最年少記録を更新したので期待してしまったが、その後はレズカップルや王子様とのイチャイチャをひたすら見せられるだけの拷問が続いた。第一クールとはいえ、劇中の死者数が一人いるかどうかで最終話を迎えるというガンダムは初めてではないだろうか?

そして最終話にしてようやく人の死が少し描かれたが、『戦争って人を殺すことなんだよ』みたいなクソ浅く、ガンダムとしてはクソ今更なテーマがチョロ出しされただけで、それが掘り下げられることもなく終わった。

正直学園モノにしたいなら逆に何故最終話まで引っ張った挙げ句中途半端な戦争描写持ってきたのか疑問が拭えない。あと主人公含めた登場人物の髪型がほぼ全員イカれているのは感情移入を阻害している気がするし、薄い本も捗らないのではないかw

総括するとクオリティはクソではないがガンダムとしてはクソ。
無理やり好意的に解釈するなら、第一クールはZZの前半的な位置づけであり、今後登場人物達は皆絶望の中で惨たらしく死に、最後に主人公は精神を崩壊させるのだと信じたい。第二クールを観る気がすでに起きないが。

なんというか平成中期になって仮面ライダーにライダー大勢出てきて皆カジュアルに変身したりギャグ描写が増えたりしたのを見た時の何とも言えない感覚に似たものを感じる。
これが令和の最新ガンダムであり、これを受け入れられない自分は時代に追いつけていない老害なのかもなと少し凹んだわw
羅武

羅武