Reno

X-メン シーズン5のRenoのレビュー・感想・評価

X-メン シーズン5(1996年製作のアニメ)
3.5
ついにファイナルシーズン!

特に何かの前振りでもないシニスターのオリジン、唐突なウルヴァリンとキャプテン・アメリカのコンビ回、ジュビリーのお話回、キャノンボールの話、ストームの異世界婚約話などファイナルシーズンらしくないスタンドアローンエピソードが多かったけど、シリーズフィナーレは良い締めだったね

原点ともいえる偏見と差別、憎悪に対する苦悩、そしてそれがもたらしたプロフェッサーの生命の危機。マグニートーは人間への報復的制圧と親友を助けること、どちらを優先すべきか選択を迫られる。派手な戦闘でも強大なヴィランとの戦いでもなく、最後は社会に根付く偏見との対峙、そして親友二人のパーソナルな友情がコアになるというなかなか素敵なフィナーレ✨

二人の関係性は実写映画と同じくこのアニメシリーズでも素晴らしいものだったな、、

チャールズの最後のみんな一人一人への言葉も素敵だったし、去り方も完璧。マーベルスタジオが創っているリバイバルシリーズ X-MEN 97 ではマグニートーがプロフェッサーの代わりにX-MENを率いるって聞いてたけど、こういう経緯だったんだね。

高齢男性二人の友情がコアになるヒーローもの素晴らしい、、

それにしても今作は昔の子ども向けアニメだから、正直シナリオは良くともそのシナリオの魅せ方が全然ダメだなと思うところ多々あって、でもそれでも逆に子ども向けのアニメでもこう今の社会でも重ね合わせられる差別と偏見、モラルパニックやスティグマの問題などをかなりわかりやすく直球で訴えかけることができているのすごいなと思った。かつてアメコミ映画にハマったばかりのMCUフェーズ1末〜フェーズ2の頃、MCUも好きだけどX-MENの方がなんだかんだ好きだなと思ってたのは、こういう普通ではない者が迫害や偏見に苦しみながら報復と共存の狭間で葛藤する物語が切実で心にきた空だよなと思い出した。

今だってセクシャルマイノリティや人種差別など色んな問題に当てはまるなと思うし、そもそもそういう背景から生まれたのがX-MENだろうし。

マーベルスタジオが今このアニメの続編にどんな内容を用意してくれているのか楽しみ!!そしてそれだけでなく実写で確実にやるMCUの新しいX-MENがこの時代にどんなメッセージを届けてくれるのかも楽しみ!!

社会の辛い部分を反映した優れたX-MEN、今後も現実社会への啓蒙とエンパワーメントで私たちの心をほぐしてくれる存在であってほしいですね!!
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