※原作未読
TSモノに藤井慎吾監督×今村亮キャラクターデザインで何も起きないはずがなく...。
妹が開発した薬をきっかけに、ある日突然女の子になってしまった兄の物語。いわゆるTSモノ。
デフォルメされたキャラデザインながらも、女性的な体の描き方や仕草の細部に拘りを感じられる。それでいて決して下品な見せ方にはなっていないのが良い塩梅。
制作はスタジオバインドだが、無職転生とは参加アニメーターの大半が異なっており、特に若手や新人の活躍が目覚しいものに。コミカルな動きから繊細な日常芝居まで楽しめる。（実際は修正がどれだけ入っているかは定かではないが）実力で判断して若手や新人が見せ場となるシーンを任されるのは良い制作環境ではないかと。また、OPEDやエンドカードではシャフト所属や共作経験があったりと、藤井氏今村氏との繋がりのある錚々たる人選となっており、本編とは別の角度からも楽しませてくれる。
キャラ以外では構図も藤井監督の絵コンテ回をはじめとして、広角の構図でキャラとカメラの間に遮蔽物を置き視聴者が覗き込むような画面があったのが印象的。
物語面としては、序盤はTSモノとして男女の違いに振り回される様子を、中盤以降はまひろが（元々通っていたところではないが）再び学校に通い始め新しくできた友人と学校生活を楽しむ日常が描かれる。そのため、物語の焦点がTSからは外れていくのだが、最終話では薬の効果が切れかかり男に戻るチャンスを得る。そこで他者ではなくまひろ自身の選択により、このまま女の子でいる展開で着地したのが良かった。
お気に入り話数：8、9、12
何だかひさしぶりに深夜アニメらしい深夜アニメを観たなと。
