第1期放送後から半年足らずで放送された全10話による第二期は、魔王としての力の片鱗を見せた成瀬澪を取り巻く政治劇、そしてその利用を拒否するべく魔界の権威者と公的な集団戦を強いられる刃更達が描かれるがそのどれを取っても半端な内容である点は否めず物語の焦点も1期から曖昧化しているように思える。
全10話ということもあり展開に忙しなさがある点は否めないのはさておき、1話1話の情報量は微々たるもので複雑な勢力図の果てに待っている単純明快な共同戦線というカタルシスを得るには既存の関係性の妙に依存しすぎであるように思う。また新たな能力による戦闘は見られるが、公的決闘の下に行われる今回の戦闘においてはそれはワンサイドゲームの要素となり得るから戦闘における面白味というものはほぼないと言っていいだろう。ヒロインの数が増えたことで一面的な見せ場がそれぞれに義務的に割り振られているのも感じるが、ドラマの面でもその傾向は強く、物語の一貫した縦軸にはなり得ない動機の開示ばかりで少ない話数にも関わらず物語からは散漫な印象を抱いてしまう。
本作における主従契約による色事も前期と比較すると芸がないという所感が先行し、複数人の頭数を揃えた割にそれが有効に活かされたシチュエーションも少なく、局所的なプレイにも対応していないのでそうした性癖の幅という意味でもパワーダウンしている。これがかなり残念だった。成瀬澪、その下品なデカ乳は飾りじゃないだろうが。
