しげもん

シャングリラ・フロンティアのしげもんのネタバレレビュー・内容・結末

シャングリラ・フロンティア(2023年製作のアニメ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

以前にCMを何度も見かけており、力の入ったVRMMORPGものの雰囲気を感じていました。今回満を持してアニメ化ということで観賞。期待通りかなり力をいれて制作されており、とても楽しめました。原作は未読ですので、その点ご了承ください。


よかった点。
一番の山場、墓守のウェザエモン戦あたりの作画はかなりよかったです。18話なんかは圧巻でした。さらに特殊EDもついてくるという、豪華仕様。聞くところによると、彼の顔は原作でも描かれておらず、本EDが初出だったそうです。全体的に制作陣の作品への愛が感じられる演出でした。


気になった点。
18,19話以降のおまけ感は否めませんでした。ここでの盛り上がりが最高潮になるように意図して制作されていることは明らかです。そして2期の放送も2024年秋と制作が進行していることが伺えることから、2期を想定して早めに次の導入パートに入ったのだと思われます。こうなると2期は最終話あたりに山場を持ってきてくれそうな予感がします。楽しみです。

これはアニメで楽しむゲーム作品なので、普通の物語にある主人公の成長などはあまり感じられません。本作における陽務楽郎に関する描写はほぼ皆無です。そしてサンラクは主人公というよりも、ゲーム進行を引き出す舞台装置と化しています。この点はこのジャンルにはよくあるものですが、本作はよりこの点を徹底しているようにも感じました。一方で、舞台装置としてのサンラクは非常に優秀で、ゲームへの煽りは清々しく、我々視聴者のやりたいことをやってくれます。我々がゲームに没頭するために、理想的な役割を演じているように感じました。


お話としてはウェザエモン戦を終え、ビーラック育成計画の最中にキョージュと出会うまでが描かれました。

個人的には、1話の最後の演出やウェザエモン戦のアナウンスからSAOを意識しているなということが感じられて面白かったです。かの作品とのジャンルこそ違えど、VRMMOものの金字塔へのリスペクトを欠かさない点には好感を持てます。そして最終話の中田譲治には不覚にも笑ってしまいました。その声で世界の真実を語るな。

誰もが楽しみやすい作品であるとは思います。しかし、多少この手のゲームへの知識や経験があった方が、ギャグシーンなどをより楽しめることは確かでしょう。そして何よりも、「ゲームが好きか」が一番大事です。ゲーム好きであれば世界観に惹かれ興味を持てる場合が多いのではと思います。

2期も視聴させていただきます。今から楽しみな作品のひとつです。
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