都部

ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITIONの都部のレビュー・感想・評価

3.7
グリフィスとガッツの出逢いから蝕に至るまでの道筋が13話のアニメシリーズとして再構成された本作は、作品としての見所を的確に抑えながら壮大な世界観に対する登場人物の感情の繊細な機微とそれが齎す悲劇性を際立たせることに成功している。

倫理的問題による場面のカットも最小限なのが喜ばしく、黄金時代篇のハイライトにしてクライマックスである蝕の無慈悲さの再現性は悪くなかったように思われる。またガッツの地に足の着いた心境の変化も分かりやすいものとなっていて──この辺は一長一短な部分があるのは否めないが──志を同じとする二人の人間が宿命に弄ばれ、決定的な決別を迎えるシークエンスのカタルシスの再現性は上々。端的にエログロと一行に切り捨てられない物語の魅力は発揮出来ていたし、決して短くない黄金時代篇を13話という枠の中でダークファンタジーとしての精度を落とさずにアニメ化したという点は評価点として大きくて然るべきである。
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