自由の国、オーストラリア。ポップル一家は新しい暮らしを始めるために、はるばるヨーロッパから長い船の旅を経て、この地へやってきた農夫一家だ。夕食時、父親のアーサーは夢である農場を持つために、家族全員で協力しようと話し合う。
ルーシーは朝起きるなり、昨日の夜遅くに初めて見たカンガルーの事をケイトや母親のアーニーに話して聞かせる。テントに戻ったケイトとルーシーは、水汲みを頼まれた。その途中、ルーシーはコアラを初めてみて、可愛いと思うのだった。
コアラを捕まえて大喜びのルーシー・メイだったが、それは先住民族・アボリジニの少年が飼うコアラだった。コアラがすっかり気に入ったルーシーは、いつか必ずコアラを飼おうと心に決める。
ケイトとルーシー・メイは、船の中で友だちになったビリーと共に、遊びに出かける。3人はすっかり探険気分で、海岸線を下り、岬の先端まで出る。岬で3人が見たのはアシカの群れだった。動物好きのルーシーは1人で群れに近づく…。
アデレードへ向かっていたアーサーとベンは、テントに引き返していた。途中で怪我をした大工のジャムリングさんを見つけ、医者のところに運び込んでいたのだ。ジャムリングさんは世話になったお礼にと、アーサーにある提案をするが…。
木の根に足を挟まれたヤギを見つけたルーシーは何とかそれを助けようとする。その頃、アーサーとベンはアデレードを訪れていた。早速農地の相談を始めるアーサーだが、農地は1年以上、手に入らないという話を聞かされる。
お父さんとベンは船から荷物を降ろしてアデレードに引っ越す準備を始めた。ベンは船から降ろしたばかりの小麦粉の樽が海に流されていくのを見て、海に入っていった。ところがベンは泳ぎが得意ではなく、樽につかまったまま沖に流されてしまう!
ケイトたちはベンを助けようとボートを出すが、ボートを漕ぐのに大苦戦。運良く、船から岸に戻るアーサーに見つけられ、ベンは無事に助けられた。テントに戻ったケイトたちは、クララにコアラを見たこと教えられ、森へと飛んでいく。
ポップル一家の引っ越しの日が来た。やっとの思いで用意した牛車に荷物を積んで、いよいよ出発だ。クララ、ケイト、ルーシーは荷物より先に歩いていく事になっていた。ルーシーは何か生き物を見つける度に足を止めるのでケイトはイライラ気味。
父母たちより一足先に、アデレードへの道を行くルーシー・メイ、ケイト、そしてクララの3人。ルーシーは、誰かが残していった砂糖の荷物を見つけた。甘いものに飢えていた3人は、思わずその砂糖をなめてしまう。
やっとの思いでアデレードに着いたクララたち。探し当てた家を見て、クララたちはびっくり。家というよりも、小屋だったからだ。親切なお隣のマック夫人からパンを分けてもらった3人は、父たちが着くのを待つ間に眠ってしまう。
水を欲しがるヤギと共に川まで来たケイトとルーシー・メイ。溺れかかったヤギを助けようとして、ルーシーが川に落ちてしまった。助けを呼ぶケイトの前に、アボリジニの男が現れ、ルーシーとヤギを助けてくれた。
スティッキーが、川のほとりで、無事に3匹の子供を産んだ。その頃キャンプに残っていたベンは、運良く手配できた牛車に残りの荷物を積み、父の後を追おうとしていた。船に乗り遅れた医者のデイトンさんも一緒だ。
ルーシーは、以前、川で溺れかかったところを助けてくれたアボリジニの男に会う。お父さんはそのお礼をしようと考え、昨夜焼いたパンを送る事にした。ルーシーはゼスチャーで説明し、どうやら喜んでパンを持って帰ってもらえたようだった。
ペティウエルさんに売った組立式の家は着々と出来つつあるが、ポップル家の新居の建て増しはなかなかはかどらず、家族の誰もが不満を口にする。ケイト達は、大工のジャムリングさんがペティウエルさんの家を作っていると聞いてショックを受ける。
デイトン先生は、看板を出して何とか医者の仕事をしようと考えていた。そんな折り、急病の子供を抱えてきた夫婦があったが、その時運悪く先生はひどく酔っぱらっていた。アーニーは先生の頭から水をかけ、酔いを醒まさせるのだった。
ペティウエルさんが飼う犬のハッピーが、柵から飛び出したスティッキーの子ヤギに襲いかかった! 驚いて駆けつけるルーシーたちだが、間に合わなかった。子ヤギの死に、ルーシーは激しく怒り、そしてただ悲しみに暮れるしかなかった。
ルーシーがいま一番夢中になっている事、それはコアラを捕まえる事だ。森の中で早速木登りの練習を始めるルーシーだが、なかなかうまく行かず、結局木から落ちて、お尻を打つ羽目に。そして、その日、いよいよポップル家の新居が完成を迎えた!
姉のクララについて買い物に行く事になったルーシーとケイト。アデレードの中心街まで出たケイトたちは、次から次へとショーウインドウの中を眺めては大騒ぎ。その途中、3人は洋服屋に飾られた美しいウェディングドレスに思わず見とれてしまう。
「何としてもコアラを捕まえよう!」と、ルーシーとケイトは今日も張り切って森へと出かけた。しかし、今日は全くコアラを見かけない。そうするうち、2人は森の奥まで入り込んでしまい、来た道が分からなくなってしまう。困った2人は…。
お隣のマックさんのご主人が亡くなり、ケイトとルーシーは、茂みの中から葬式の様子をうかがう。葬式に集まった人の中に、ケイトたちが知らない人物がいた。その人こそ、アデレードの町を設計し、今は奥地の測量を行っているライト大佐だった。
お父さんは、レンガ造りのデイトン先生の診療所を作るために、レンガを焼き始めた。そんな折、ベンか森の中からディンゴの子供を拾って帰ってきた。ベンとルーシーは、2人でディンゴの赤ちゃんを飼う事にしたのだった。
ディンゴの子を飼おうとしたルーシーだが、凶暴な生き物であると、父や母から反対され、ベンが、森の中に置いてくることに。しかし、ディンゴの子に愛着を抱き始めていたベンは、じっとベンの顔を見るディンゴの子の様子に、決心が鈍ってしまう。
アーサーのレンガ造りは失敗に終わった。それならばと、今度は干しレンガ作りが始まった。ルーシー・メイやケイトも手伝いだ。それがイヤなら勉強をさせられるとあって、2人はしぶしぶ作業に取りかかる。
遊びに出かけたものの雨が降ってきて、家に戻ろうとしたルーシーは、途中で見かけたベンの事をふざけて驚かす。そのひょうしに、ベンは大事なラテン語の本を川に落としてしまった!ベンはルーシー激しく怒った。ルーシーは泣いて謝るが…。
ある日の深夜、ルーシーが高い熱を出した。デイトン先生によれば、肺炎を起こしかけており、しかも容態はあまり良くないという。「許して」とうわ言を繰り返すルーシーを見て、ベンは、ラテン語の本の事をルーシーがずっと気にしていた事に気づいた。
ルーシーの病気の具合は思わしくなかった。ベンは、前から約束していた凧を作ろうと思いつく。夜を徹して凧を完成させ、次の日、ルーシーに見せると、それが励ましになったのか、ルーシーの病状は少しずつ快方に向かっていくのだった。
ルーシーの病気もすっかり良くなった。早速ルーシーは、ベンに作ってもらった凧を上げに出かける。ビリーの協力で凧はぐんぐん高く上がり、ルーシーたちも大喜び。しかし、強風のために糸が切れ、凧は川の向こう岸まで飛ばされてしまった。
いつかリトルが大きくなった時、野性の血が目覚めて人を襲ったりするかもしれないという事が、ケイトもルーシーも気がかりだった。次の日から、2人はリトルの訓練を始める事にする。賢いリトルは、2人が教える事をどんどん覚えていくのだった。
ルーシーの誕生日がやって来た。お母さんはケーキを、ケイトはハンカチを、クララは小物入れを、ベンは子羊をルーシーにプレゼントしたのでルーシーは大喜び。そしてお父さんからのプレゼントは土地を手に入れる事ができたという知らせだった。
ポップル家のみんなが夢見ていた農場の見学に今日は家族で行くことに。ところが事件はそんな矢先に起こった。ルーシーが誕生日にもらった子羊のスノーフレイクが、ペティウエルさんの飼い犬・ハッピーに襲われたのだ。そこへリトルが駆けつけた!
いよいよ農場の契約の日が来た。ところが、そんな一家の前に、予想もしない出来事が待っていた。飼い犬のハッピーをリトルにかみ殺された事を恨んだペティウエルさんが、農場の契約を横取りしてしまったのだ。一家は大きな悲しみに包みこまれた。
ポップル一家が南オーストラリアへやってきてから、早くも3年の月日が流れていた。しかし、その一方でポップル家は、いまだ自分たちの農場を手に入れることが出来ずにいた。その事は一家全員の心に影を落としてしまう。
ルーシーは朝から気が重かった。苦手な学校に行かなくてはならないからだ。そんなルーシーの後を追って、リトルが学校についてきてしまう。ルーシーが算数の問題を間違えたりして先生に怒られる度に、リトルは先生に向かってほえるのだった。
石切り場で崖崩れが起きた。アーサーが無事なのかどうか、状況がつかめない。ジョンとクララは馬車か牛車を借りようと心当たりを歩き回るが、思うように行かない。そんな時、誰かがクララを呼び止めた。クララが振り返ると、元気なお父さんだった。
アーサーは石切り場から帰ってきたが、足を痛めてしまっていた。デイトン先生の診断では、傷が治るのにひと月ほどかかるらしい。そんなある日、ルーシーは偶然、鳥の巣の中から5シリングを見つけ出した。
ベンがルーシーとケイトを港へ連れていってくれた。初めてオーストラリアに上陸した浜辺に来て、2人は3年前の希望を思い出し、これからも頑張っていこうと話し合う。ところが、乗り合い馬車で家路についていたルーシー達の前に、強盗団が現れた!
ルーシーは、強盗がペティウエルさんの召使い・アダムが仲間たちと計画したものだという事を偶然知ってしまう。アダムが恐くて、警察でその事を言えなかったルーシーは、自分で証拠をつかもうと、アダムの様子を毎日調べる事にする。
体の調子は良くなったアーサーだが、以前よりも酒を飲む量が増えてきていた。そんな折、デイトン先生が、ゴーラの町に働き口を見つけ、ポップル一家と別れる事になった。そして生活の苦しさから、お父さんがスノーフレイクを競売にだしてしまった。
暴れ馬の騒ぎに巻き込まれ、気を失ってしまったルーシー。見知らぬベッドで目が覚めた時、彼女は自分の名前も、どこに住んでいたのかさえも思い出せなくなっていた。その頃、ポップル家では、暗くなっても戻らないルーシーを皆で心配していた。
ルーシーを救ったのは、プリンストンという人物だった。ひと晩屋敷で介抱したプリンストン氏と夫人は、記憶が戻らないルーシーを心配し、何か思い出すきっかけを探そうと、一緒に馬車で町を巡る。
ルーシーを心配し、手を尽くして探し回るポップル家の人々。一方、ルーシーはいまだに記憶が戻らず、プリンストン家の世話になっていた。名前がないと不便だからと、彼女には「エミリー」という名前がつけられた。
プリンストン氏は、ルーシーを預かっている事を広く知らせるため、新聞に告知を載せようと考えていた。ベンもルーシーを探してもらおうと新聞の尋ね人の広告を出す事にした。しかし、両者の広告は新聞社の受付の人が違ったためすれ違ってしまう。
アデレード橋に降り立ったルーシーは、リトルと出会った。ルーシーをなめるリトルに、思わず「くすぐったいでしょ、リトル」と言葉がついてでてきた。その瞬間、ルーシーは記憶が走馬灯のように駆け巡り、全てを思い出したのだった。
ルーシー・メイが無事帰って来た! そして、アーサーは鉱山で働く仕事を見つけてきた。そのためには鉱山の近くに引っ越さなくてはならないとあって、アーサーたちは下見に出かける。その途中でワラビーを見つけたルーシーたちは…。
ワラビーを捕まえようとしたトブの姿が急に見えなくなった。それを探すケイトも急に消えた!? だが、案際は2人とも深い穴に落ちていたのだ。ルーシーが助けを呼んでくるのを、待つケイト。そこに一匹の獣が現れた! それはウォンバットの子供だった。
プリンストン氏の招きによって、屋敷を訪れたアーサーとルーシー。アーサーはプリンストン氏から農場の手伝いを頼まれたのだが、他人の農場では働く気にはなれないと言う。しかし、そこへペティウェル氏がやってきて…。
アーサーは、プリンストン氏の農場で働く決心をした。そのことに家族は大賛成だった。その後プリンストン氏自らがポップル家を訪ねてくる。氏は「ルーシーを養女にしたい」と切り出したのだった。
「ルーシーを養女にしたい」というプリンストン氏の願いに驚くアーサーたち。「アーサーが望む土地をあげてもいい」とまで言うプリンストン氏だが、アーサーはその話をきっぱりと断るのだった。そして数日後、クララとジョンの結婚式が行われた。
自ら養女になりたいとプリンストン家に頼みに出かけたルーシー。父に土地をプレゼントしたいという決意に心を打たれたプリンストン氏と夫人は、未開墾の土地をアーサーに買ってもらい、ぜひ夢の農場を作り上げて欲しいと申し出るのだった。
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