平田一

REVENGERの平田一のレビュー・感想・評価

REVENGER(2023年製作のアニメ)
3.3
“その罪、その咎、悔い改めよ。
光は見えるか。終われない闇の向こうに――”

「魔法少女まどか☆マギカ」のライター・虚淵玄さんが、10年ぶりにシリーズ構成を担当したオリジナルアニメーション。異なる歴史を歩んでいった長崎を蝕む悪と復讐屋「利便事屋(りべんじや)」の戦いが描かれる。監督は「終末のイゼッタ」の藤森雅也さん。

薩摩藩士で剣術の達人・繰馬雷蔵(くりま らいぞう)は陰謀に気付けないまま、許婚の父親を自らの手で殺してしまう。自らも殺されそうになった彼を救ったのは碓水幽烟(うすい ゆうえん)がリーダーを務める「利便事屋」であった。やがて彼らは阿片密売の陰謀に立ち向かう――

設定的には惹かれるものが大変豊富でワクワクで、おまけにこういう仕置人の話は非常に好物です。利便事屋の装備然り、バトルパートのバイオレンスも良い意味で豪快だから、粗があっても毎週見るのが結果楽しみでしたね。架空の歴史を歩んだいった舞台装置・長崎も、架空の舞台だからこその味があって楽しいです!

キャラクターに関しては「鳰(にお)」が推しキャラでしたね。天使のように愛らしい両性具有の少年で、殺人にも一切の躊躇を示さないキャラクター。とにかく一挙手一投足が蠱惑的で素晴らしく、ここまで魅力的なのは「乱歩奇譚」のコバヤシ以来。演じる金元寿子さんもスゴくピッタリでしたね✨

ですがせっかくの題材を活かしきれたと思えません。やや淡白すぎるというか、作品の捌き方があまりに距離を取りすぎちゃって、そのせいか物語にあまり浸っていられずです。もうちょっとキャラクターに寄り添った描写だとか、話運びにしていた方がよかったように思います。加えてクライマックスでの戦いが駆け足すぎて、もっとそこに至るまでを掘り下げて欲しかった。素材は素晴らしかったのに、掘り下げが物足りなくて、結果だけをまとめたようなアニメーションでしたね。

でも結局面白いのが豊富にあるのも確かです。
これからは配信サイトで再見するかもしれないし、その時はもっともっと発見あったら嬉しいな!
平田一

平田一