肉鹿

PLUTOの肉鹿のレビュー・感想・評価

PLUTO(2023年製作のアニメ)
3.8
人間とロボットが<共生>する時代。1体の超高性能ロボットが破壊される事件を皮切りに、あるプロジェクトに関わりのある人物も次々殺害されていく。すべての答えは<プルートゥ> いや 「ボラー」———手塚治虫「鉄腕アトム」の1編を原作に再構築した漫画が原作。

ほおおぉーーぁ、なぜいまアニメ化したのかちゃんと意味がある作品でした👏むしろ狙いすましたようにタイムリー!

2009年に連載終了した15年近く前の漫画原作なのに、古臭さはなくてむしろ未来予知していたかのように身近。
『chatGPT』などの登場でAIに仕事を奪われる未来が現実的になったこの世の中に、ここで描かれる世界は近未来そのもので前のめりで見入っちゃう。すごいよ、ロボットが子供を持てる制度や人間を殺すほどの感情をロボットは抱けるのか?なんて重厚なテーマもスルスル頭に入ってくる。

それにもうひとつタイムリーなのは戦争や紛争。
記憶が薄れることはないロボットの方がよりPTSDになりやすい姿は、確かな説得力で胸に迫ってくるし政治ドラマとしても重厚。知ってるかい?大きな国家を裏で牛耳ってるのは可愛らしいクマのぬいぐるみなんだよ。信じるか信じないかはあなた次第w

そんな重厚さを大人なキャラデザと乱れることのない作画で堪能できて幸せ🥰特に1話冒頭の主人公が犯人を追い詰める瞬間の"疾さ"は見もの。

現実感のある重々しさから解放されるようにラストでは愛と希望に溢れるファンタジーみにどう思うかは人それぞれ。わたしはさも綺麗事のようにまとめれたね!と思ったよ。
肉鹿

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