ゼロ

新世紀エヴァンゲリオンのゼロのレビュー・感想・評価

新世紀エヴァンゲリオン(1995年製作のアニメ)
4.9
少年よ、神話になれ。

センスが光るロボットアニメ。1995年と古い作品ではありますが、子供ではなく大人が見るアニメとして作られているのが、1話と2話で分かります。だって、「使徒、襲来」と「見知らぬ、天井」で1つのエピソードなんだから。

キャラクター内気な主人公・シンジ、頼れるお姉さん・ミサト、物静かなヒロイン・レイ、明るいヒロイン・アスカとキャラが立っており、前半は人間の陽を描いていました。ロボットアニメとし真面目に作っていたのもあり、燃える展開が多くあります。1つの山場として「男の戰い」を経て、キャラクター達が崩壊します。後半は人間の陰を描き、見ているこちらが苦しくなり、シンジ君を含めた大人たちが葛藤し続け、完成しなかった25話「終わる世界」と最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」で幕を閉じます。

作品に監督の作家性が出ていて、映像と音楽をシンクロさせるシーンは気持ちよくあるのですが、深く考えて内面を描いていくのは文学的な匂いがします。テーマは「人と人の繋がり」なんでしょうが、視聴者は「ロボットアニメ」を望んでいたので、最終話はポカンとしてしまい、より分かりやすいものを視聴者は求め、終わった終幕をリメイクした『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』、終わった物語を再構築した『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとしてリブートします。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は、今のアニメにリファインして見やすいのですが、私はこのTVシリーズの雰囲気が好きですね。TVアニメという長く時間を取れるからこそ、人間の機微を贅沢に表現しています。また当時のノストラダムスの大予言が流行し、終末論もあり、流行したのかなと思います。

一人の少年が神様になるまでのお話でもありますし、ロボットアニメの常識をぶっ壊す作品でもあります。また何年かしたら見返したいくらい好きな作品の一つです。
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