オヂサン

新世紀エヴァンゲリオンのオヂサンのネタバレレビュー・内容・結末

新世紀エヴァンゲリオン(1995年製作のアニメ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

大人になってから通しで観て本当によかった。子供の頃に観ていたら悪い意味でトラウマになっていた。

20年以上前のアニメとは思えない、流石に今もなお変わらず人気の作品で。今でも十分通用するし隅から隅まで面白い。1話として欠けてはならない。

間の取り方もさながら作画が好きだ。ずっと観ていたい。美しい名曲に残酷で衝撃的な映像をあてるという常軌を逸したシーンや、本能的にゾワッとするようなデザインの使徒達に鳥肌が立った。劇中歌の殆どがバラエティ番組などで一度は聴いた事のある曲ばかりで改めて曲の素晴らしさに驚いた。

初めて通しで観たけれど子供の頃に観た印象と大分変わっていた。子供の頃はシンジ君に憤りを感じていたのだが、全くイライラしなかった。ごく普通の14歳の少年。どこにでもいる普通の少年が大人の都合で父の職場に連れてこられて「エヴァに乗りなさい」と言われ、乗りたくないと断れば「逃げるな」と大人から責められる。現実から目を背けるな、と言わんばかりに。

というのが1話から数話続く様はうーん、大人のなんと勝手なことか…「あなたが決めることよ」と言いつつも選択肢をよこさず、レイちゃんがボロボロで運ばれてくるシーンはなんとも言えない。

21話移行駆け足すぎて少し物足りなかった。が、この駆け足で描ききれなかったところを映画でやってくれているんですねきっと。シンジくんが粒子レベルで解体され初号機に取り込まれシレッと元に戻ったシーンがどうしても見つけられなくて気になってそれ以降頭に入ってこない。

このアニメの何が凄いかというと、考えすぎてしまう時や考えが止められない夜中の脳内を視覚的にも感覚的にも完全に再現しきっているところ。余裕がなく前が見えない時というのはシンジ君が自問自答するあのシーンに近いのだと思う。

追記:プロフェッショナルを観て
最終話はスケジュールが押して間に合わなかったからあの線画だったのか…と唖然としてしまった。庵野さんだけではなくスタッフさん達がいたからこそのエヴァンゲリオンなのか。
オヂサン

オヂサン