エイガスキー

終末のイゼッタのエイガスキーのレビュー・感想・評価

終末のイゼッタ(2016年製作のアニメ)
5.0
第1話で鳥肌が立つほど驚いて見入ったアニメはこれと赤毛のアンくらいだろうか。
現実の世界の設定を少し変えた架空の世界線の物語。
ストライクウィッチーズ系のやつ。
世界大戦に徐々に巻き込まれていく国の姫と、秘密兵器として開発された魔女(魔法少女)の悲しい物語。

第1話で登場するお姫様。
まーたキャーキャー騒いで仲間の足を引っ張るお姫様の登場かと思いきや、このお姫様、頭も良ければ身体能力も高い超アグレッシブなお姫様だった。
列車(機関車)に乗車中、敵国の軍人に見つかり追走劇が始まる。
敵の裏をかく心理戦や従者への的確な指示、列車の窓から屋根に登る身体能力など、ただ守られるだけのお姫様ではないことをこれでもかと主張する。
最後は鉄橋から川に飛び降り逃げ切る。
その際従者の1人を失うが、悲しみととむらいは一瞬、すぐに気持ちを切り替えて目的達成のための行動に移る心の強さも見せる。
そんな完璧超人のお姫様がピンチに陥る時、魔法少女のイゼッタが目覚めて物語が始まる。

1話目で驚いたのは演出。BGM、効果音、場面構成が高い次元でまとまっており、アクションシーンと交渉のシーンの緩急が実に見事。
アクションシーンでは機関車の屋根を走る場面での背景の動きや煽ったり俯瞰したりのカメラアングルがダイナミックで楽しく、同盟交渉のシーンではその緊張感をBGMのオペラで演出したりと視聴者を飽きさせない工夫が好印象だった。

声優陣も豪華で、特に男性声優陣が超贅沢。それぞれ主役をはれる役者が揃っており耳が幸せ。そんな中でもお姫様役の早見沙織の存在感は大きく、実力の布陣と言わざるを得ない。
その分イゼッタ役の茜屋日海夏が若干影が薄いかな……。

高品質アニメってのはこうだ!という、お手本のようなアニメだった。
当時あんまり話題にならなかったのが本当に不思議。