映画版『スコット・ピルグリムと邪悪な元カレ軍団』がそこそこ好きだったので、映画オリジナルキャストをほとんど集めてアニメとしてまた作ると聞いたときは期待大でした。映画と同じストーリーのアニメ版だろうと思っていたら第一話からかなり大幅に展開を変えてきたのが驚き。
スコット・ピルグリム自体にはそこまでスポットを当てず、ラモーナと元カレ軍団に着目して進むストーリーは最初戸惑いましたが結果よかったと思う。映画版は恋愛に真剣になりすぎる人間模様をバカバカしく描いてたけども、アニメでは恋愛はバカバカしくもあるが当の本人たちは相応に傷ついているということに向き合っている。展開としても映画版をメタ的にとらえた後半もアイデアの妙が光る。アニメの方がこういうメタ展開をやるのも上手いなと思います。
スコットの周りのモブたちにもちゃんと役割があって、映画版が好きな人も楽しめるし、映画を観ていなくてもコレだけで質の高いシリーズになっています。
アニメという表現方法をとったからか、映画に合ったゲームパロディネタがかなり少なめになっていたのは残念。そこは潔く捨ててほかのことをやろうという気概は感じるけど、そこをやる余地はあったと思う。アクションは最初そんなにだったけどエピソードを重ねるにつれ見ごたえのあるものが増えていって良かった。カートゥーンの絵柄でガッツリディープキスをかますのも海外のセンスを感じられて最高。