テルヒサ

ヴァイオレット・エヴァーガーデンのテルヒサのレビュー・感想・評価

4.9
戦争で道具として戦わせるために心を知らないまま育てられた少女が、慕った少佐の「愛してる」を知るために、手紙の代筆役、自動手記人形として生きていく物語。
ヴァイオレットの過去にしっかりとスポットを当て、彼女が過去のしてきたことに傷つき、悲しみ、立ち直るまでが描かれているのがちゃんとあって、良かった。
単に作画の細かさ、効果の巧さ、画面の美しさそのものではなく、人が感情を知っていく、誰かの心を伝えていく物語とマッチしてはじめて映像全体の美しさが際立つ印象。
序盤の6話あたりまでの導入や流れは似たようなものもあるのだが、後半でヴァイオレットが自分のしてきたこととして自覚できるようになるし、彼女がこれからも誰かの心を繋いでいく動機にもなるエピソードなので、後半のために観て良かったと思う。テレビアニメは後半の巻き返し次第で前半を活かすこともできると実感した。
戦争描写がまあまあの出来だった。個人的にはもっとやっていいとも思ったが、主軸を考えればこれくらいの演出やエピソードで良いのかもしれない。過去の誤ちに気づく、心を知る系のストーリーとしてはテンプレではあったがその回復の仕方が独特で丁寧で感動的に演出されていた印象。
少佐のヴァイオレットへの愛の動機づけがもう少し欲しい印象。少佐像を形作る段階で、もう少し個人的なエピソードがあっても良いような。
子を亡くした親のエピソードは良かったし、9.10話あたりが個人的ピーク。
op良い。
テルヒサ

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