あんへる

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完のあんへるのレビュー・感想・評価

4.7
【2020年夏アニメ作品{全12話}】

これは決して単なるラブコメアニメではない。
青春の情緒と文学的表現に彩られた傑作。


『青春とは嘘であり、悪である。』

1期の冒頭、比企谷八幡が書いたレポート。
すべてはこの一文から始まった。

リア充爆発しろ!だの、砕け散れ!だのとのたまっていた男。

それがどうだ?
本作の幕引きであり彼の最後のセリフ、

『ああ、やはりだ、やはりと言わざるを得ない。――やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』

作品のタイトルでもあるこの言葉で締めくくられる。

いやぁ〜、感慨深いよ。

何が?って、このセリフを最後の最後で彼に言わしめたってことが何よりグッとくる。
この感覚は文面ではちょっと形容し難いけど、1期から観てた人はこの意味がきっと理解できると思う。


もうさ、毎話毎話込み上げてくるものがあるんだよね。これ2期のラストからずっとだよ。
1期から八幡、雪乃、結衣、この3人の積み重ねてきた想いが細やかに、叙情的に、丁寧に紡がれている。
これ以上の結末なんて望めないくらい美しい完結の仕方だったと思う反面、もっと、ずっとこの物語を見守っていたかったと感じてしまうのが何とも切ないところ。。。



⚠こっからネタバレ注意⚠





敢えて神回を上げるとするなら、やはり11話だろう。
一つの、でも確実に明暗が分かれる所。
有り体に言えば、勝ちヒロインと負けヒロインの確定イベント。

ガハマさんはもう終盤辛すぎて見てらんないのよ。
いや、実際もっと早い段階で圧倒的負けヒロイン感は出てるんだけどね。。
共依存だなんて言葉を用いなくても、3人の中で彼女だけはずっと前から気付いていた。
ベンチでの八幡との会話は彼女の決意のシーン。

ナニコレ、めちゃくちゃに切ない。
結局、好きと伝える前にフラれる訳なんだから。
なんて不器用なんだろう。なんて健気なんだろう。
言葉なんて尽くさなくってもこの2人はとっくに通じ合える関係になっていたんだよ。
誰もがガハママの胸で泣き崩れたい気分になったはず、、、。←

あとどーでもいいけど毎回思うんだが、ゆきのんママと陽乃さんはどんだけヒマなん?w
いちゃもん付ける以外やることないの?ww

そして何と言っても、クライマックスの告白シーン。
これは作中屈指と言わず、アニメ史に残るレベルの名セリフ、名シーン爆誕!!って思ったねw
全く関係ないけど、ハガレンの“人生の等価交換”を思い出したよ。

『手放したら、二度と掴めねぇんだよ。』

『お前の人生歪める権利を俺にくれ。』

ちきしょう、、ぐうの音も出ねぇくれぇかっこいいじゃねぇかよ。。

『私はちゃんと言うわ…
  ―――あなたの人生を、私にください。』


                 ――重っ←w

いや、これ、もうプロポーズじゃねーか…。

そうです。お気付きの通り雪ノ下さんって重い女なんです。
…嘘です、かわいいですねぇ。w

そして〈デレ方〉というものを熟知してらっしゃる。
ここにきて、この大事な所でしっかりと、急激にデレる。
その上、一度デレ出したら際限なくデレまくる。
これぞデレの美学!
雪ノ下雪乃、恐ろしい子…!!

いや、冗談抜きで素晴らしいです。
何が良いって、あのひねくれた2人からこんなシーンが生まれたってのが堪らなく尊い。
もはやカタルシスすら感じる。

てか、こんなもん見せられたらもうガハマさん、いろはす、平塚先生ENDも見たくなるに決まってんじゃん!


あと、これだけは言わせて欲しい。
平塚先生がとにかくイイオンナ過ぎるんだよ。
そして、俺ガイルの魅力とは平塚先生の名言の数々と言っても決して過言じゃない。
頼むから嫁にください。お願いします。
言いたい事はそれだけです。


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[主題歌]

OP
やなぎなぎ「芽ぐみの雨」

ED
雪ノ下雪乃(早見沙織)・由比ヶ浜結衣(東山奈央)「ダイヤモンドの純度」

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