レインウォッチャー

オビ=ワン・ケノービのレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

オビ=ワン・ケノービ(2021年製作のドラマ)
3.0
OBK48。

この作品をたとえるなら、「センターを贔屓しすぎてファンが離れたアイドルグループ」である。

わたしたちはこの後に続く『EP4』を知っているので、センターメンバー(オビワン、ダースベイダー、レイア、ルーク)がここで死んだりしないことも当然わかっている。なので、オビワンたちがいかにピンチになったとしても、それだけだと緊張感が生まれないのは自然な話。

しかし今作がまずかったのは、そんなオビワンたちにのみ力を入れてしまって、幕間の物語を面白くできるはずの周りの人々の人物設計やドラマに厚みを持たせなかったせいではないだろうか。

オビワンvsベイダーがみんな観たいんやろ?ちっちゃいレイラかわいいやろ?という。
確かにそれはそうなのだけれど、オビワンのアクションはさすがにへっぴり腰(ユアン・マクレガー51さい)だし、ミニレイラを守るストーリーはベビーヨーダ(『マンダロリアン』)で味を占めたのが透けて見える感じで既視感の塊。
でも他に何もネタがないからそれに6話も使っちゃって、だらだらした印象になった。

このドラマを面白くする絶対的キーパーソンは悪役サードシスターだったはずなのだけれど、バランス配分のミスのせいかただの「情緒不安定おねえさん」になってしまった。彼女を主役視線に置くくらいでも良かったのでは。
これは言っても仕方がないことながら、まずお顔が悪い意味でかわいすぎるんだよな…目がクリクリしてて丸顔で明らかに良い人そう、「週末はみんなでゴスペル歌い顔」なのよ。

最後に、よかったところもふたつ挙げておきたい。

①ミニレイラで積年の疑問が解消
ルークにしろハンソロにしろ、「なんでこんな老け顔の姫に命をかける気になったんだろう」というのがシリーズ最大の神秘だったところ、このレイラなら推せる、と思うことができた。思い出を上書きしていこう。

②ベイダーの「オビワン」の呼び方が癖になる
「オ」が高い。オ↑ビゥワン。しばらく真似しちゃう。家事の合間とかぜんぜん関係ないときに言っちゃう。毎日がすこし楽しくなる。