ぎゅう

メイドの手帖のぎゅうのネタバレレビュー・内容・結末

メイドの手帖(2021年製作のドラマ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

現代アメリカ版おしん

おしんは観たことないけれど
きっとこういう気持ちでみんなは惹きつけられたんじゃないだろうか

DV夫から逃げだし、シングルマザーとして
崖っぷちの生活をしながら
這い上がっていく女性の1年間の記録
ノマドランドでも感じた、アメリカにおける貧困の実態を突きつけてくる作品でもある

主人公が何より魅力的
飾らない美しさがあって
特にピアスやセーターの色と呼応するような
ブルーの瞳がとても綺麗だなと感じた

食べるものも寝る場所もギリギリの生活の中で
生きるために必死に最低賃金の過酷な労働で生計を立てながら子育てに奮闘する姿も応援せずにはいられないし

周囲の人間たち、特に母親のダメっぷりは
正直DV夫以上にイラつくかせる
双極性障害ってあんな感じなのか。
常に自分のことしか頭になく
ハイテンションで真面目な会話ができないと思えば
全てのことを娘のせいにして当たり散らす
それでもあんな風に母親を想う主人公が出来すぎて
また、父親を憎んでいたが今はとてもまともでいいおじいちゃんではないかなと感じて
いつか主人公が父親を許せる日がくるといいとも思った

ただ周囲のクズみたいな人々も
(母親の再婚相手などは除き)
一面的に書かずに
特に夫に関してはそうなった背景も描かれていて
人間的に憎みきれないキャラクターになっているのもよかった

途中は辛すぎるものの
最終的には勇気と力をくれる作品

原作者の実話をもとにしてるというのもすごい
ぎゅう

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