1980年頃に生きる23、4歳の女性三人(森昌子、古手川祐子、田中裕子)を描いた山田太一脚本のドラマ。
男女雇用機会均等法施行以前ということもあるのだろうが、当時の女性が23、4歳で既に結婚適齢期とされていたことに驚く。
今現在から見てあまりにデリカシーのない価値観や社会的な圧力を可視化させていて、約45年前なのに山田太一のずば抜けた慧眼に感服させられた。
と同時に、この問題提起(「ふぞろいの林檎たち」も)からわずか4、5年でバブル経済に突入し、若い女性のみならず国民の多くが消費社会に踊らされ本質を見失っていき、今に至るのだと思うとやるせなくなる。
特別な才覚はない等身大な三人が、それでも理不尽に立ち向かい連帯して行くシスターフッドドラマであり、そのいちいちが間違ってはいない。
全てが集約される12話は震えるほどの神回。
今こそ掘り起こされるべき大傑作。