このレビューはネタバレを含みます
3は作らない方が良いと思う。
わたしはこの作品、主人公の2人が好きなのだけれども、登場人物たちが愚かな行動をとるのも、「まあ、恋愛で夢中になっちゃってる高校生だしね」と言うところで処理する、みたいな箇所が1・2ともに多い。
エリックが死に、ヴィルの進退が王位そのものに直結するようになってしまったところから、話の大袈裟感が出てきてしまってた上に、さらに2では「悪人に王位を渡すか、王位を放棄してシーモンと幸せに暮らすか」みたいな2択が変に絡んでくるようになってしまった。
エリック死なさないで堅実に話を進めた方がいいドラマだったんじゃないかなあ。
最後、再びヴィルは私たちをカメラ越しに見おこして、しかし今回は少し片頬を上げる。
シーモンに見せた笑顔をほんの少しこちらにも見せて、彼はシーモンのために言うべきことを、いま世間にも伝えた。
これはヴィルとシーモンにとって、一つの大きな区切りではないか。
シーズン3を作れるかも、みたいな欲を見せて肝心のラストが薄くなってしまっていると、わたしは思います。
アウグストはサラの通報により皇太子のスペアとしての資質に傷がつく。
もしくは、シーモンが父から薬物を持ち出した罪を彼女が自ら被れば、アウグストのシーモンへの牽制は無効だ。
ここと、最後のヴィルの微笑み(シーモンにも笑って欲しかった)を丁寧に描いて、堂々たるフィナーレにしたらよかったのではないか。
この作品が好きだから書くんですけど。
作るなら、20年後。
ヴィルヘルムn世としての後日談で仕切り直して欲しい。
あと、登場人物たちが女王にもカーツィしないし、なんだか王室感が薄い。そこ、もっと出してほしかったです。
北欧のリベラル寄りの王室として、これがリアルなのかな。