ルサチマ

宮本から君へのルサチマのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2018年製作のドラマ)
5.0
「宮本、あんたって最高だわ。」
孤独のグルメを観てテレ東を流しっぱなしにしてたら深夜1時の30分枠にも関わらずキレッキレのショットの連想で何事かと思ったらいきなりエレカシのEasy goのオープニングに真利子哲也監督の名前が出てきて驚愕してからというもの毎週の心の癒しになってた。
毎話全てが素晴らしすぎる。30分の間に喜怒哀楽爆発させてて、一切出し惜しみがない。これ程エネルギーに満ちたドラマを観たのは初めて。
最早監督やスタッフの存在も考えるとドラマというよりは映画作品という気さえする。
90年代の新井英樹原作の漫画ということもあって今の時代にこんな熱血漢が主人公のドラマなんて絶対ウケないと思ってたのに、池松壮亮演じる宮本が魅力的すぎてクール気取ってスカしてばかりいる俺ですらグッと来てしまった。
サラリーマン編に入ってからの松山ケンイチが演じる神保さんもカッコイイし、中野靖子を演じてる蒼井優もカッコイイ。
ついに11話では銀杏の峯田さんまで出演してるサービス精神。
マイ・オールタイムベスト入り確定。

最終回は原作の4巻のラストシーンでもある島貫部長に名刺渡して「認めてもらうまで毎日来ますから」て言うところで終わりかと思ったら、そこは序盤であっさり終わらせてきて、ならば中野靖子とのシーンを差し込むのかと思いきや甲田美沙子との再会と痴話喧嘩を描いて別れて終わるという視聴者を突き放す徹底ぶり。
原作にこれほど誠実な態度を取りつつ、視聴者を意識する大衆的なドラマとしてのお決まりを容赦なく踏みにじる一見締まりの悪い真利子哲也の終え方。凄い。。
見れば見るほどあの終え方が矢張り一番素晴らしいんじゃないかと認めざるを得ない。
MOROHAが歌うエンディングも本編のラストもこのドラマは必ず宮本の背中で終わる。
そして最後に映し出される宮本の背中は力強く、暗闇の中に光を当てるような頼もしさが漲っている。去っていく(どこかへ向かっていく)宮本から視聴者である我々に送られる熱意は生命力で満ちている。
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