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ガンニバルのFumiのレビュー・感想・評価

ガンニバル(2022年製作のドラマ)
4.3
久々に日本のドラマでここまで見ごたえのある作品に出会えた。点数は、5点つけたいが今後への期待を込めて若干低くしている。脚本、映像、プロダクションデザイン、劇伴、全てが日本映画的な作りというよりはどちらかといえば慣れ親しんだハリウッド映画的だ。柳楽優弥は言うまでもなく時折見せてくれる暴力的な役にどハマりしていたし、脇を固める他の役者もみんな素晴らしかったと思う。言い方が良くないかもしれないが、(あえてストレートに書くが)無名で、顔が整っているわけでもなくスタイルがいいわけでもなく、巨漢だったり普通っぽかったりする見た目だけど演技が一流、という役者達がしっかり揃っていたところにも感動した。日本のドラマや映画では容姿の良い売れている役者が役作りでそう見せているパターンが多くて人物の深みがないことが多いが、これは違う。多種多様な村人、そしてこの物語の核となる後藤家の面々が皆素晴らしかった。1話50分ぐらいだと思うが毎回、もう終わり?と思うほど魅せられる。全ての物語の運びのタイミングが抜群。サスペンス要素あり、ホラー要素あり、色気もあり、映像作品に期待するものがきちんと揃っていだのだと思う。
もうドラマシリーズは日本に期待しない、とさえ思っていたがそうではなかったとおもう。シーズン2も期待したいし、柳楽優弥という俳優の存在を今もう一度、世界に知られてほしい。

※以前、柳楽優弥の妻である豊田エリーが何かの番組で明かしていたことを思い出す。
『誰も知らない』のカンヌで柳楽優弥が注目されたが、そこから作品に恵まれず、20台前半ぐらいの頃挫折して仕事もなく引きこもっていたことがあったらしい。が、居酒屋でアルバイトしたりなどして少しずつ社会復帰し、また役者として復活した、と言っていた。柳楽優弥、本当にすごかった。
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