こいももか

海の見える理髪店のこいももかのレビュー・感想・評価

海の見える理髪店(2022年製作のドラマ)
3.2
海の見える理髪店の店主と、
ネット記事を見て予約して訪れた青年とのふたりきりの空間での理髪の手仕事と会話だけで進んでいく物語。

この静かな空間で、理髪の動きもだけど演技、上手くないとできないよね、緊張しないのかな、と思い尊敬しながら拝見。

つむじの位置、海が見えること、2度結婚した話、同僚を殺めてしまった話。
なぜ殺めてしまったか、どんな言葉を言われたか忘れたという店主に、それを聞かないと自分の中の恐れている部分が消えないという青年。 

台詞は忠実ではないと思うが、「俳優の髪を切ってお礼を言われた時の顔、床屋の仕事が嫌いでしょう、芸術を求めている」など同僚に言われてその通りだったからカッとなったという話。
殺めることはいけないことだけど、こういうことはなんとなくありそうで、それが不自然に感じないからストーリーに引き込まれた。そして同僚は新たに独立しようとしていたのに不憫にも思った。

プロポーズであなたのこと嫌いだった、と言われた時、「嫌いだったところからまだ好きではないになるまでそんな時はたっていない。だから可能性はある、たのむ、人のものにならないでいてほしい」というようなことを言っていた。なんか、まっすぐで心動かされるのわかる気がした。

さいご、結婚報告できてよかったね。
「おとうさん」と言おうとして言えない、手紙を渡すこともできないでもどかしいけど、心通わせられたことが少ない言葉のやりとりと深い演技から伝わってきた。
あの手紙は、渡せたのだろうか。

キャストがそれぞれいい味出されていたと思いました。タイトルと柄本明さんの意味深な雰囲気の予告をみて、見てみようと思いました。