リッジスカイウォーカー

17才の帝国のリッジスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

17才の帝国(2022年製作のドラマ)
3.3
3基のAIが選んだ若者たちに一つの都市を舞台にして、AIを使って日本の国力再生の実験を行うというお話。

超高齢化社会、GDPも諸外国に比べかなり低くなり、世界からサンセット・ジャパンと揶揄されている状況ということが語られる。このままの政治が続けば日本は完全に没落してしまうということが背景にある。

これは決して絵空事ではなく、現実に訪れるリアリティがあるため、高齢者が政治をしている現代への強烈な批判が込められている。

正直、これくらいの大ナタを振らない限り斜陽国家である日本は変わらないという製作者の悲痛なメッセージがそこかしこに込められており、1話目からグイグイ惹き込まれた。


しかし政治の指揮を若者がとることで、世の中が変わっていく様を現実的視点で切れ込んでいくことを期待していたが、最終的にはよくある政治スキャンダル&どこかで見たしょぼいSFになって無難な着地をしてしまい、肩透かしを食らってしまった。


振り切れなかったんだろうな。
とても残念です。
民放の限界ですね。
こんなありきたりなストーリーはいらない。


ラストは非常に残念だったけれども、そこまでのプロセスは大変に興味深く、自分が今日本のドラマとして観たい視点を持った作品だった。

映像の綺麗さや全編を流れる音楽、そしてエンディングの今一推しの羊文学のVo.塩塚モエカさんが歌う曲は、確かなクオリティを放っていた。


価値観を変えることができない老人による政治は、もういらねぇんですよ。