マスターテープシリーズ初鑑賞。
若いモキュメンタリーホラー監督と親友のカメラマンが撮影現場に来るはずの友人の不在に端を発して思わぬ呪いに見舞われていくモキュメンタリーホラー。
序盤3話くらいまでは楽しめた。
ここまでは人が不気味に死んでいってワクワクするのだが、その先がステップジャンプと行かずにホップホップホップという感じで、段々が倍々になっていく盛り上がりは感じられなかったのが勿体なかった。
けっこーリング味が強い心霊URLの映像も気合いが入ってて面白かった。一話の若者製作陣によるモキュメンタリー現場のキャッキャしつつ真面目にもやりますって感じは今時っぽく見えて新鮮だった。若手監督が彼女同伴なのもリアルに見える。正直妬ましい。演者たちの低体温なのに熱いことを臆面もなく口にできる人柄も今の東京の若者っぽい。一部やりすぎて変に感じたが基本いい。あと友人が動画見た後で撮った行動もその直前含めて考えるとこわくてそこは素敵だった。
けどモヤっとしたとこも多かった。
ゲスな方向に流れていきそうな三角関係の伏線が肩すかしに流れたのもちょっと残念。俺も彼女欲しいな〜とか言ったりやたら女の子ずっと撮ったりしてるのはスケベで良かったのに。
真相のシーンでも暴力をしっかりと写し切らないのは如何なものかと思う。実際に彼らが何を傍観してたのかその酷さを直視するのはストーリー上重要だったろうに。
なぜか映像と共に流れる格好いい音楽や2人の過去回想はストーリー的にはわかるのだが、コンセプト上少し見てる間ノイズだった。普通恐怖モキュメンタリーで編集の手を感じさせるモノがある場合は『撮影者or映像を最後に所有した人』が我々が今見てる映像を作成してるわけで、そうなると本作の場合いったいだれが2人の過去回想を挟んでるの？と疑問が浮かぶ。音楽はまだラストまで見れば誰の編集か一応納得いくんだが、納得以前に見てる最中に『これなんな？』てノイズなのが問題ではないかな。
2人の夢を語るシーンが『世界を変えるような映画を撮りたい』って実写で言うにはあまりに真っ正面な青臭さなのでもう少し照れくさそうにしててほしかった。そんな事口に出す奴中々だ。
