jonajona

パージ シーズン1のjonajonaのレビュー・感想・評価

パージ シーズン1(2018年製作のドラマ)
4.0
パージにドラマがあることを知り鑑賞。
おもろかった。毎話結構ヒキが強い。

群像劇で主にみっつのストーリーが並行して交互に語られるのだが、誰も興味深いので惹きつけられるものの話を重ねるごとに感情移入できるやつが少なくなっていく。しれば知るほど嫌いになるというか。
でもヒキが強いのでどれかの話はこの先どうなるんやろ?時になる感じで終わりまた見ちゃう…

パージ擁立の超保守団体パーティに参加する成り上がりたい夫婦、妹をカルト団体に洗脳されパージの生贄にされそうになり救出に駆け回る戦地帰りの兄、オフィスビルでパージなのにら休日出勤しながら自分の上司を人を使って暗殺しようとする上昇志向の強い女。

最終的に主人公三者間で応援できるやつは妹を助けたい戦地帰りの兄貴ミゲルしかいなかった。彼が頼りにすることになるパージの夜に殺し合わない不文律を設けるカリスマ・ピートがかっこうよくて素晴らしかった。彼らのバディ感はほんとすき。

夫婦の奥さんジェナはほんと嫌いだった。色々理屈つけてリックを犯罪者側、自分は善人、手枠に当て嵌めようとして浮気を正当化しようとしてるだけにみえる。ライラっていう金持ちの娘と旦那リック交えて3Pした過去があるんだけど(なんそれ…)そこでライラに惚れてしまったようで彼女がその政治家パーティのドンの娘だから再会してさぁ大変…という話。
どっちかに踏ん切りつけろと思うんだけど。それより口喧嘩強いだけで全然正しいこと言ってないのに相手にごめん…て言わせるやつ嫌いなんだよな…
お話的には君を守るためなら人だって撃てると言ったリックの言葉に偽りはなく、それを残忍と罵ったジェナは結局自分が生き残る為に旦那に引き金を引いてる(不発だったけど)んだから皮肉は聞いてて最悪。よくできてる気がする…

ドラマってイライラさせるのも大切なのかな?海外のやつだとムカつくキャラって多い。

3話から出てきたホッケーマスクの男がすごい面白い。人が欲望を解放して悪の限りを尽くすなら、同時に正義のヒーローになりたいという欲望も叶えられるという。はじめどちらか分からないおどろおどろしい声の自己啓発ラジオを聴きながら街を流す車。実際は悪漢を射殺し人助けをするのだがそのナレーションの不気味さから本質的に欲望を満たすという意味では悪と正義が大した違いがないような、こちらの感覚をゆらぎにくる。
(最後まで見ると分かるけど全然正義のヒーローワナビーマンではなかった。単に特殊な形で復讐の対象者を絞って実行してただけで普通にパージャーだった。闇が矮小化された感じがしてちょっとがっかり。)

彼がパージ終了のサイレンを聞いて片目潰されて血まみれのまま、うわー終わりかぁ!まぁいいやもう帰っていいよ。ルールは大事だから。また来年探し出して殺す。っていうのはディストピアらしすぎて大爆笑した。パージらしくて大好きなシーン。
jonajona

jonajona