ぐっない

初恋の悪魔のぐっないのレビュー・感想・評価

初恋の悪魔(2022年製作のドラマ)
5.0
『やさしすぎて涙が止まらない。
坂元裕二さんは、どうしていつも、こんなにやさしいんだろう。
私は本を読んだり布団の中でぬくぬくしたり音楽聴きながら散歩したり映画館へ行くために電車に乗ったりぷらーっと気になったお店へ入ったり、ひとりで楽しむことができる方の人間だと思う。でも、ひとりも良いけど、ひとりじゃやっぱり寂しいときもあって。本を読んだり映画を観て思ったことを話したい、今日見た夢がおかしくてね、この音楽が最高だよ、あそこのお店美味しかったよって、誰かに話したくなる。自分ひとりのものにするのもいいけど、話したくなる人がいる。そうやって感じたこととか思ったことを言いたくなる人がいることって、幸せなことだなと思う。
生きるとは、思い出を作ることだと、このドラマでも言っていた。そのとおりだと思う。自転車の漕ぎ方を覚えること。りんごの剥き方を教わること。記憶が私をつくっている。そして私たちは寂しがりだから、誰かの記憶にも残りたくなっちゃう。憶えていてほしいと思う。
友達とか恋人とか、他人なのにすごいなあ。そんな当たり前のことを、このドラマを観ているあいだ、ずっと思っていた。誰かがいる、ということの安心感って、すごいなあ。』

最終回の鑑賞直後のメモ。最初の数話はあれー?あんまり面白くないかも?とか思ってたけど、やっぱりめちゃくちゃ面白くて、いっぱい泣いたなー。坂元裕二さんの作品、ほんとうに好きだ。優しさが溢れ出ている。

「世界中、たくさんの暴力はあるし、悲しいことはあって。僕が生きてるうちにそれがなくなることはないかもなって思います。大事なことは世の中はよくなってるって信じることだって」というセリフを、ドラマの中で言ってくれることの、ありがたさ。ほんとうにそう。世の中はよくなってるし、生きるに値するのだと思わせてくれる作品だなあ
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