ミステリー作家Mの恋人Fが謎の失踪を遂げたところから始まったこのドラマ。あらすじだけ読めばサスペンスなんだろうけど、そうは思わなかったドラマだったな。ラブストーリーとも思わなかった。
Mのお気に入り、BAR灯台と喫茶マーメイド。BARで会う本名も知らない常連客たちとお喋りを交わすM。知らないから色々話せたり、そういう気楽さをMは好んでいるようで、だからFが消えても何も思い当たらなかったんだろうなと思った。誰かといるけどひとりであることの気ままさ。それに慣れてしまえばそれは手放し難いもの、というのは分かるなと思った。
Fが消えて、Fの事をろくに知らなかった自分に気付いて、Fの知らなかった一面を知ったM。周囲の人の秘密や嘘に触れながら、変わっていく日常の中で取り残されたような感覚になるM 。SNSを始めても、現実の方が感覚はダイレクトにやってくる、とMを観ながら思った。
カオルのナレーションがちょっと聞き取り辛かったのが気にはなったけど、全体的に大人が楽しむドラマという感じだった。
