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刑事7人 シーズン9のtokyoflaneurのレビュー・感想・評価

刑事7人 シーズン9(2023年製作のドラマ)
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なんだか分からず、良くある刑事物だろうと観てみたが、想像の枠を超えた、変わったドラマだった。

今時、と言ってはなんだが、メインキャストに女性はいない。そういった場合よくあるのは男たちの熱い関係性だったりするが、ここにはそれもない。刑事7人と言われる中に1人、解剖医が混じっているのだが、彼は皆と仲が良いが、それ以外は関係性も希薄というか、何処か表面的でよそよそしい。サブタイトルに「7人の絆が、今、試される」とあるが、「本当に試されてる???」と聞きたくなってしまう。

10年前に起きたの夫婦殺害事件。犯人の死刑執行がキッカケとなり、この事件を発端とした事件が起きる。同時に、警察関係者が内部告発を連発する暴露系チャンネルが動きを活発化させる。

話の主人公は天城(東山紀之)。妻子を殺され、燃え尽き症候群なのか、刑事を辞める決心をしたところから本シーズンはスタートするのだが、彼の独白がとにかく多い。そのセリフは思わせぶりに、事件に関係する昔の映像に被さる。

犯罪捜査のシーンはあるものの、謎解き的なことはあまりなく、偶然的に犯人を探し出していくのだが、とにかく刑事ドラマ的な要素が少ない。事件の内容や背景が重いせいか、全体的なトーンも重い。そして遅い。

話の軸は刑事物だが、物語を進めるのは、次のステップを踏み出そうとする人たち。それは主人公の天城も、一部の部下や事件関係者も当てはまる。理由は様々だが、次へのステップを踏み出すことの大変さ。救いはなく、言ったらイバラの道だ。

とは言え、面白くないのかと言えば、そう悪くはない。このシーズンしか見ていないので、なんと言えないが、刑事ドラマと言うよりは人間ドラマというべきか。
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