ドラマもアニメも映画も豊作だらけだった2022年秋において、覇権候補と言って良いのでは。視聴率は伸び悩んだとも聞きますが、話題性はエルピス、サイレント、鎌倉殿（通年）のスリートップだったという印象です。長澤まさみも鈴木亮平も岡部たかしも良いんだけど、何より真栄田郷敦の演技が最高です。
放送されたタイミングの問題で、現実の様々な事件（足利事件、森友学園問題、山口敬之記者による強姦事件、オリンピック問題、安倍晋三暗殺事件など）を彷彿されられましたし、明らかに制作側も意識してるでしょう。それらを考えながら視聴すると更に面白いですよ。
特定の局に限った話ではありませんが、政治部の記者が政治家と懇意になりすぎて、批判的な報道ができず、結局政治家の不正があった時は同じ局の社会部等の他部がすっぱ抜くなんて話は最近よく聞きます。なので報道局政治部の記者のくせに政治家とべったりの斎藤の描き方はかなりリアルだと感じました。
エルピスは足利事件を参照しているようですが、今ホットな冤罪（が疑われている）事件は袴田事件ですね。こちらに動きがあったということで、当然エルピスを思いだしましたよ。あれは政治は関係なく検察の不正。無実の罪によって死に追いやられた死刑囚は、死の間際、この社会を、日本という国を恨んで死んでいく。ゾッとする話です。
