このレビューはネタバレを含みます
うーん、けっこう期待してたけど期待しすぎたかもしれん。
アクションだったり映像のところはとても期待通りで、冒頭から吸い寄せられたけど…
かなり原作に敬意がある立場からしての超個人的な意見だけど
原作の寄生獣は描かれるテーマ性みたいなところが本当に深いから、その辺があまりに上澄みで、原作を踏まえた上で、原作で描かれた寄生獣という存在の是非だったり、死や殺しへの葛藤だったり、人間という存在そのものに対する問いかけに対しての答えとかに、この作品なりの解答があるのかと言われたらなかったから
ガッカリしてしまった。地獄が呼んでいる、の監督だって時点でその点に関しては少し嫌な予感はしたんだけどその通りだった感じ。
でも監督から原作者さんへの熱烈なアプローチの上で実現っていうのを聞いてた気がするから
これだとちょっと本人はがっかりなんじゃないかな。
寄生獣のビジュアルだったり、設定だったり、外側へのリスペクトしか読み取れない。
まあやってないっていうよりできないって感じだとも思ったけど。
主人公も冒頭から生い立ちめっちゃ自分で喋るやんって感じだったし、キャラの葛藤や人間ドラマの見せ方にあまり興味がないし得意でないんじゃないかね。
ソンウの姉も、スインの寄生生物も、感情豊かすぎるし優しすぎて寄生獣ってこんなんだっけ？って思ってしまた。
人間って生物の生態を面白がったり影響を受けたりはするけど、絶対にどこまでも分かり合えない別の生き物で
だからこそ、助け合ったりわかりあったりする一瞬のにじりよりがいいと思うんだけど
姉が死ぬシーンとかちょっと冷めたなあ、助けるはあっても謝るはないやろ。
ハイジのスインに対する感情も軸があまりなくて最後感動っぽい感じになる理由がよくわからん。
結局寄生生物っていうキャラクターの動かし方への深掘りがそこまでなされてない、最終的に行動選択が普通の人間に近いものになってる気がする
そこらへんが残念だった。
あとこれラストシーンのネタバレ、ネットでめちゃくちゃ記事になってたけど絶対やっちゃダメだろ。
まぁ、寄生獣の世界観をバリバリの映像で見せてもらえるのはまあそれで楽しいからこれはこれでよしとする。
