“あの日々は何だったのか。
いや、過去形で話すのは相応しくない。
あの日々は何なのか。”
2011.3.11 東日本大震災と津波による福島第1原発で起きた原子力事故。
実際にその渦中にいた人々からのインタビューなどから構成された実話に基づく物語。
まだ、廃炉への道は続いている。
この事故は知っていたとは言え、知らないに等しいぐらいだなとドラマを見ていて思ったし、同じ国内の人間なのに恥ずかしく思った。
福島の原発が大変になったことや逃げた人たちがたくさんいたこと、放射能の単位のシーベルト。このような情報はニュースで知っていた。
しかし、事故の後、現場では電気は使えなくなり、中で原子炉がどんな状態かもわからないまま、こういった災害時のマニュアルもなく、内部の人々がなんとかしなければと悪戦苦闘しているのは、伝わってなかった。
爆発、地震、津波、そして、放射能の恐怖や死と隣り合わせで、やるしかないのだという気持ちと早く対策しないという気持ちは相当なストレスだ。
あとから言っても仕方ないけど、津波や大地震を想定していなかったというのは、そんなもんなのだろうか、とは思った。
ただ、やはり想定外の大きさというのはあるのかもしれない…
2人の若者が亡くなったと確実になった時（遺体が発見された）、私も泣いてしまった。
我が子がそんなことになったら、とか、自分の若い部下が、とか想像したら、本当に辛いことだ。
こんなふうなことになっていたのか、と知る上で、とても良いドラマだった。タイムリミットのある中で、精神を保ちながら行動する。なかなか難しいこと。
人間ドラマもあり、入り込んでいく構成だった。
見た方がいいと思う。
調書を後日読んでみたが（ネットで読める。朝日新聞 吉田調書）4号機が最終的に最大に暴れずに済んだのは、偶然が重なったからだった。もし、この偶然がなかったら、とんでもないことになっていたかもしれない。最悪のシナリオ170km強制避難、250km圏内任意避難になってたかもしれないんだな。
