かりんとう

三体のかりんとうのレビュー・感想・評価

三体(2023年製作のドラマ)
4.0
「そんなバカな!」ということを限りなく「あるかも」と思わせる映像作品はやっぱりスゴイ。

原作は未読なので、ドラマのみの感想です。
めっちゃくちゃ難しい物理学や天文学の話がバンバン出てくるが、高校の中間テストで数学0点を取った筆者がのめり込めたので、全国の文系諸君も安心して視聴してください。

圧倒的なSFの世界観とスケールなのに、どこか私たちの日常の延長世界に感じさせてしまうのは流石としか言いようがない。
それは登場人物たちの心理描写が丁寧に描かれた群像劇だからなのだろう。

一件難解なストーリーに思われがちだが、全くそんなことはない。
一言で言ってしまえば宇宙人襲来ムービーだが、本作には決して先陣を切って戦闘機で戦うアメリカ合衆国大統領なんか出てこないし、シワシワの異星人が自転車の前かごに乗って飛ぶこともない。
彼らの姿形は愚か、安っぽいUFOも出てこない。

なんなら彼らが地球にやってくるのは400年後の未来ということも確定している。
人間を「虫けら」と呼ぶほど人類を遥かに凌駕する高度な文明を持った異星人。一見すると120%負け戦だが、現代の科学者たちは何代も先の子孫の繁栄のために戦うことを決意する。
現代の技術でなんとか戦いの突破口を開こうとする人々の健闘は、胸アツの連続だった。
こういうのね、ほんと日本の政治家が観てちったぁ考えたほうがいい。
彼らは自分の任期中のことしか考えてないから。
だからこの国は30年間給料は上がらないし、物価だけが上がって市民の生活水準は下がり続け、他の先進国に水をあけられたのよ(怒)
自分と身内の保身のために黒い金動かすしか考えてない連中には、400年先の見知らぬ人類のために戦おうなんて真の戦士たちの気持ちなんてわからんわな!

最後は政府批判になってしまったが、私は左の人間ではない。

正統派なSFに浸って、子供の頃みたいに「すっげー!!」となりたい人にはすこぶるオススメのドラマです。

最後の最後に独り言
あんなにすごい文明があって、何万光年も離れてるのに地球に干渉できるならさ…もう人類滅ぼしといてあとからゆっくり来たらいいんじゃない?って思ったんだけど、大家さんがいない物件て荒れるもんね。
きっとそういうことなんだと納得した。