かりんとう

デッドボーイ探偵社のかりんとうのレビュー・感想・評価

デッドボーイ探偵社(2024年製作のドラマ)
3.6
死せる美形男子コンビが、生けるものとそうでないもののお悩みを解決します。それが「デッドボーイ探偵社」

基本的には一話完結で事件を解決していくが、主軸となるストーリーに重きを置いた構成。
ハンサム幽霊男子はお互い死んだ時期は違うが、「転生」という宿命を避けてこの世に留まり、生ける者と死せる者双方の人助けをしている。
本来死んだ魂はそれ相応のネクストステージに行かなくてはならないため、彼らは魂をあの世にいざなう「Death(死神)」と死んだ子どもの霊を保護する(実際にはとても強引に)専門部署「ナイトナース」から追われつつも、上手に潜伏生活と探偵生活を両立させている。

彼らの稼業を助ける様々なひみつ道具や、何でも無限に物が入る魔法のバックパックは、ドラえもんやハリポタのハマイオニーのバッグを思わせる。
いかにも子供がワクワクしそうな題材だが、同性愛のさじ加減が強めなので視聴には注意されたし。
同じような系統のネトフリドラマでは「ロックウッド除霊探偵局」「ベイカー街探偵団」などがあるが、本作はそれらよりもジュブナイル色は薄めになっており、ハイティーンの配役で(実際の俳優陣は皆二十代半ばだが)LGBTや多様性を大々的に扱うことで差別化を図り、幅広い年齢層にアプローチしたかったのだろう。
そしてそれは概ね成功していると思う。
主演の四人がそれぞれ、白人、パキスタン系、黒人、アジア系と異人種で構成されているのは明らかにポリコレだとは思うが、本作ではうまい具合にそれでキャラが立っている。
海外ドラマでよくある、日本人ではない東洋人に日本人役をやらせるということがなかったのも好感が持てる。
ユユ・キタムラさんという女優さんは今まで存じ上げなかったが、天然でユーモアがあって、それでいて知的な日本人女性像が見事にハマっていた。
全編にわたってゴシックでダークな雰囲気が漂う中、彼女のコケティッシュなファッションとルックスが際立っているのも非常によい。


シーズン2への布石を思わせるラストになったが、続編は厳しいんじゃないかなぁ
悪くないんだけれども