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フェンスのdarumaのレビュー・感想・評価

フェンス(2023年製作のドラマ)
4.9
野木亜紀子脚本×沖縄、WOWOWでこれも楽しみにしてた作品。予告から骨太でしたが、期待にたがわず素晴らしい(逆に言うとそのまんまとはいえる)。でもひねりがありそうで良(それが無いとね!)。主題歌と、岩崎太整さんの劇伴がめちゃくちゃいいです。沖縄っぽい。

松岡茉優ちゃん×宮本エリアナちゃん主演。
宮本さんは本作が初演技、お母さんが日本人、お父さんが沖縄ではありませんが米軍基地勤務のアメリカ人だそうです(wiki調べ)。
ちゃんとルーツの方を選んでいる時点で〇。

観る前の印象というか抱いたイメージとしては、昨年、松山ケンイチさんと岡山天音くんが出た舞台「hana-1970、コザが燃えた日」を観たのでそれと(まさにコザのAサインバー(で言い回し合ってたかな?)が舞台です)と、映画「小さな恋のうた」。

今のところ、そのイメージからほぼ外れていませんが、プラス、「マイスモールランド」がちょっと浮かんだ。(難民と入管の話)
見かけと中身は関係ない、というか…

どうして人は見かけで判断するのだろう。

でも、自分もそうだと思う。
だから何も言えない。

だから、こういう作品を観ている。
自分の歪みを正すために。

青木崇高さんがいい味出してます。
あと、このネタと言えば「怒り」の佐久本宝くん。

比嘉奈菜子さん、初めて見ましたが、松岡茉優ちゃんの後輩か。(納得)
でも沖縄出身で、この方もルーツが合ってますね。

監督、松本佳奈監督だったか…!(事前に見かけたのに忘れてた)
光石研さんに納得(デザイナー渋井直人の休日)
ほんわか系しか観た事無かったんですが、こういう骨太行ける監督さんだったんですね…!素敵。

この太整さんは当たりのほうだ(ホッ…竜でちょっとイメージが)

あと、製作にNHKが入ってます。
WOWOW×NHKなんて最強すぎないか…
(そのうちBSでやったりするのかな?)

今のところ、とてもいいので、着地にかなり期待。

(余談。これは全5話だから全部観られる!ホッ。4月末まで加入予定)

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2話。全然想像していなかった事実が…!凄すぎ。骨太どころの騒ぎじゃないわ…ガチ。ほんと野木さん凄すぎる。(ちょっと評価上げます)
中村優子さん、で合ってたかな…?(エンドロールでそれっぽい方が彼女しか居なかった)「ユンヒへ」で知った女優さん。WOWOWではもうやったのかな?オンデマンドにあるわ!流石。

松岡茉優ちゃんが少し万引き家族を思わせるキャラだという事に2話で気づいた。
青木崇高さんのおとぼけ感がめっちゃいい感じなんだけど、実は彼が黒幕関係者というオチを想像してしまった自分が嫌だ…(直近でサギデカを観てしまったせいか?)このまま何も無く、力になる存在であって欲しい。

物凄く余談だけど、Go to Hellは完全にブラッシュアップライフを連想してしまった…同じ曜日、同じ時間、意図的!?(笑。でもこちらの方がかなり前に撮ってそうだから偶然だよね?…内容的に笑えない箇所のコメントですみません)

基地問題って結構難しいと思うけど、突き詰めると結局、金、って事なんだよね…アメリカと日本の関係、日本の中心部と地方の関係、同じだと思う。例えるなら原発の問題と同じ、経済的な問題。金が降りてくる所には逆らえない…摩擦は起こせない。弱者が負を背負わされるという構造。

あまりにも敵が大きすぎて難しい…故にきっと胸のすくような完全解決にはならないと思うけど(WOWOWだしね!元々そういうのは期待してない)、何かしら、一歩、みたいな展開になるといいな、と思ってる。

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3話、泣いた…!綺絵が桜に言われてお母さんの想いに気付く所、涙が止まらなかった。沖縄空手のシーンもとっても〇。シスターフッド大好き。松岡茉優ちゃん、元々素敵な俳優さんだけど、とてもいい役に当たったね…!次回予告の衝突もドキドキ…最後は主題歌の様に笑顔で手を振って!

初回からは予測もつかない様な展開で、しかも凄くスピーディ(松田るかさんは3話のみ?)、全5話物凄く凝縮されてて素晴らしい!まだラストまで観てないけど(オンデマンドで観ちゃいたいほど楽しみ!でも1話ずつじっくりとっておく)これは絶対地上波で多くの人に観て貰うべき作品だと思う。

(評価を毎回じわじわと上げています…最終回にはMAX5.0になってそう!)

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最終話。凄くよかったー!4話が髪型良!くらいしかコメント無くて(なので書き足してなかった)、でもあの人はちょっと怪しいと思ってたけど、5話序盤ですっかり騙された…流石の脚本。意外と勧善懲悪スッキリかと思いきや、そうか!2回はまずい…(計算され尽くしてる!)そこが一番エモかった。綺絵の対応がめっちゃ良。青木崇高さん、最初から最後までめっちゃカッコよかった。

余談)松本佳奈監督×光石研さんで、オチが「残念な男」になってるのがツボだった…(笑)

内の人も外の人も、人種や国ではなくて、良い人は良い、悪い人は悪い、と描き分けているのがよかった。個人としての問題。
一方的でないのが良かった。

主題歌、桜の歌だったんだね!
綺絵の歌でも、颯太の歌でも、琉那の歌でもあった。
とてもよかった。
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