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フェンスのpokotanのレビュー・感想・評価

フェンス(2023年製作のドラマ)
4.2
沖縄の現実問題。
米軍基地、米兵のレイプ事件、差別、騒音問題、南部土砂問題、地位協定。
フェンスの中に逃げ込まれたら手出し出来ない。
治外法権。

ここまで沖縄の問題に突っ込んだドラマは初めて作られたんじゃないだろうか。
WOWOWの有料放送だから作れる題材。

すごくすごく重いテーマなのに、押し付けがましくなく、時にユーモアもありちゃんとエンターテイメントとして成立させ、でもグサッと刺さる言葉を投げかけてくる。

「うちなーんちゅは優しいよ。ここには基地があって、曖昧にしてさ。ずっと反対と賛成で争わんといけんうちなーんちゅがそれでも一緒に生きてこーってしたら、曖昧にするしかないんだよ」
って言葉はハッとさせられた。

「うちなーの女は強くなるしかないのかも。」
「沖縄の問題じゃありませんよ。日本の問題です。」
「この社会が正しくないから、被害者が名乗り出ることが難しい。この世界が間違ってるから、正しいことが出来ないんだよ」
青い海、青い空、美味しいご飯、のんびりとした観光地のイメージの沖縄の裏に隠された大きな大きな難しい問題、現実を目の当たりした。
沖縄の中にあるのにフェンスの向こうには大きな大きな壁がある。
フェンスというタイトルからして素晴らしい。
やっぱり脚本家・野木亜紀子さんすごすぎる。

キャストも松岡茉優が素晴らしい。
最近の出演ドラマ、映画にハズレがない。
青木崇高の沖縄弁も上手い。
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