世界最大規模の米軍基地を抱える沖縄で起きた性的暴行事件。その真偽を探るため東京から来た雑誌ライターは、探れば探るほど日本の問題の真実を知っていく。
素晴らしいドラマ。
全5話なんて到底信じれないぐらい、確かな取材に基づいた濃密さで見終えたら疲労感がすごかった。というか一気見なんてできなくて、1話1話しっかり噛み砕いて平静を取り戻さないと見てられなかった。
それくらい心の痛いところを突いてくるドラマ。
特に1話から驚きで、5話分ぐらいの濃密さ!
でも性急な印象はなく、いったいどこまで連れて行ってくれるんだろうというわくわくで鼓動が早まり、その期待は裏切られることなく、かなり社会派でメッセージ性の強い部分と松岡茉優さんと宮本エリアナさんの1歩1歩築き上げた絆などのエンタメがちょうどいいバランスで溶け合ってた。このバランス感覚は他の追随を許さない野木亜紀子脚本作品。同率1位で渡辺あやさん。
そんななかでも、やっぱり差別感情への深い眼差しは忘れられない。
過去の苦い記憶から嘘をつかなくちゃいけない悔しさや『Black Lives Matter』にどうしても共感できず悩んでる姿などあるけど、松岡茉優さんが年上のおねえさんとして母を救い出してあげるのがとても優しい。
止まってしまった時間に手を差し伸べれる権利は、決して実年齢じゃないとそっと教えてくれる。
そして、どうしても沖縄人同士内地人同士、日本人同士米国人同士、男同士女同士と近いところで結託したくなる人の習性を、許されない罪が垣根を壊し絶対の正義としてみんなで協力する様は、正しいことを正しいと言いたい。間違ってることを間違ってると言いたい。という当たり前の想いに気付かされて激しく胸が疼いた。