ブタブタ

探偵ロマンスのブタブタのレビュー・感想・評価

探偵ロマンス(2023年製作のドラマ)
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このドラマの江戸川乱歩誕生の秘密って『ブラックジャック創作秘話』とかあの手の作家本人以外の人間が勝手に作る焼き直し、保守的な公式二次創作みたいな作品が心底大嫌いなので発表された時にガッカリ感しかなくて、こんなのやるより満島ひかり≒明智小五郎の『江戸川乱歩短篇集』第5弾を何でやらないの?と思ってたけどそんな勝手な予想を覆す凄いドラマであった!
少なくとも江戸川乱歩の自伝的な話し等では決してない。

『岸辺露伴は動かない』『松本清張と帝銀事件』と年末年始恒例のNHKスペシャルドラマ、本年は《作家探偵》シリーズとも言える作品を展開してるけど『松本清張と帝銀事件』は清張先生がスタンド能力者でないだけで(笑)殆ど『岸辺露伴』だったし、其れに続く『探偵ロマンス』も江戸川乱歩≒平井太郎による虚々実々の現実と小説がメタ的に入り交じる、乱歩がその世界を世に放つ前にもしかしたらこんな大変な物語があった(わけはない・笑)かも知れないという謂わば『乱歩0』とも言える、存在しない乱歩小説の映像化なのだと思う。(JOJOで云えば舞城王太郎の小説『ジョージ・ジョースター』みたいな)

『赤い部屋』『D坂』『一寸法師』等の乱歩小説のワードを散りばめつつ、実在の連続ピストル強盗《ピスケン》と引退した名探偵・白井三郎(草刈正雄)の探偵活劇から始まる本作。
白井三郎が根城にするオペラ館の自室の隠し扉から地下の水路への抜け道とかまるでバットマンみたい。
セットに衣装、美術に力が入ってて映画並のクオリティだし50分×四話で気が早いけど再編集ディレクターカット・劇場版を見たいな~とか思う。
しかしまだ1話だけなので得点は完結の際に、それと追加感想を。
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